仕事

上司にヘッドフォンをしたままの挨拶はあり?20代と40代のマナー問題

なぜそんなに違う? さとり世代特有の仕事観とは?

その新常識はまちがっている! そもそも今の20代に先輩、上司を敬うという意識はあるのだろうか。若者の働き方研究家の平賀充記氏は次のように語る。 「彼らは、終身雇用・年功序列がすっかり崩壊した時代に生まれた世代。その多くは、会社が出世や生涯安泰を保証してくれるなんてハナから期待しておらず、ひとつの企業にしがみつく発想がありません。そのため、自分が会社という組織の一員であるという帰属意識が低く、“ワン・オブ・ゼム”の個人主義なんです」  帰属意識が低いと、上司や先輩といったタテの上下関係は、おのずと効力を失っていく。 「ウェブ上で有名企業の経営者の発言や考え方にいくらでも触れることができるので、ひとつの会社の価値観に縛られていない。成果主義・実力主義が刷り込まれ、タテ社会の理不尽に耐えたところでリターンがないことを知っているので、上司や先輩を尊敬する気持ちも持っていません(笑)」  また、デジタル・ツールに明るい彼らは、検索すれば知りたい情報にすぐたどり着ける世代。 「そのため、合理性や効率性を何より重視する“コスパ至上主義”。極端にムダを嫌う代わりに、言われた以上のことをしてプラスαの付加価値を提供しようという発想もないのです」  彼らの価値観を理解すれば、40代以上でも「さとり世代」とコミュニケーションが取りやすくなるだろう。 【榎本博明氏】 心理学者。東京大学心理学科卒。心理学博士。MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修・教育講演などを行う。著書に『「上から目線」の構造』など 【西出ひろ子氏】 マナーコンサルタント。美道家。ウイズの代表取締役会長。人材育成やマナー研修、コンサルティングなどを行う。『気くばりメールはじめました!』など、著書は国内外で90冊以上 【平賀充記氏】 若者の働き方研究家。ツナグ働き方研究所所長。アルバイト・パート採用関連の仕事に従事し、多様な働き方の専門家として活動。著書に『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』など 【平賀充記氏】 若者の働き方研究家。ツナグ働き方研究所所長。アルバイト・パート採用関連の仕事に従事し、多様な働き方の専門家として活動。著書に『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』など <取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/古泉智浩 写真協力/PIXTA>
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