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オンライン授業で広がる教育格差。「なんとなく」勢が置いてけぼりに

 新型コロナウイルスの影響によりオンライン授業の導入が広がり、新しい学校教育の形が注目されている。そんななか、各家庭におけるネット環境の違いや整備するためにかかる諸経費など、オンライン授業特有の問題点やデメリットがたびたび議論されている。  学習意欲が高い学生にとっては悪いことばかりではないそうだが、実際は大部分の学生が将来について模索している段階。「なんとなく」学校に通っているという人が多いのではないか。いま、学生間での教育格差も広がっている。

「意識高い」学生は満足、オンライン授業のメリット

坂田由貴さん(20歳・仮名)

専門学生の坂田由貴さん(20歳・仮名)。本人提供写真

「5月の緊急事態宣言解除日までは毎日オンラインで授業を受けていました。解除後は分散登校とオンライン授業の半々です」  そう話すのは、京都府在住の専門学生・坂田由貴さん(20歳・仮名)。彼女はこの春から大阪の美容系専門学校へと進学し、美容師免許の取得を目指している。高校卒業後、2年間の社会人経験ののち進学した彼女にとって、オンライン授業は学習意欲を高めてくれるものだという。 「世間では色々言われているけど、個人的にオンライン授業は嫌いじゃないです。私の学校の場合、YouTubeライブを利用して行われています。授業後も録画を残しておいてくれるので、分からなかった部分をもう一度しっかり聞けるのが良いところですね。リアルタイムで視聴している時も、先生がゆっくり話してくれるので分かりやすいです」  YouTubeライブの場合、授業に関する質問はコメント入力する必要がある。教師側がコメントをモニターで確認し答えていく形だ。Zoomなどの双方向映像・音声でのオンライン授業とは違うため、分からない部分を質問したい時には不便だが、坂田さんは概ね満足しているそうだ。 「先生たちがすごくゆっくり話してくれているので、リアルタイムでは見ずに録画を1.5倍速で見て、時短で要領よく勉強する時もあります。本当は良くないんでしょうけど……」  坂田さんは自ら工夫してオンライン授業を楽しんでいるが、同級生の中には「家だとやる気がでない」という生徒も多い。そのため、分散登校が始まってから学力の格差が広がっているという。 「リアルタイムで受ける必要がないからか、オンライン授業を何日も受けていない人も多く、理解度や学習速度に遅れが出ているようです。オンライン授業では基本的に座学と、ワインディング(パーマを巻く際の作業練習)をやっています。登校日もワインディングの授業があるので、自宅で練習している子としていない子の差がわかりやすいですね」  ワインディングをはじめとした実技は、入学前に学校から配布されたマネキンを使用する。カットやヘアアレンジなどは指導が複雑なため、オンラインではなく分散登校時に教わるそうだ。  だがワインディングに関しては、オンライン授業後に完成形の写真提出やレポート提出などはなく、分散登校時の授業でしか教師のチェックが入らない。生徒の自主性に任せる形で進んでいるため、生徒間で技術格差が生まれる結果となった。
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取り残される「なんとなく」学校に通う生徒たち
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