ニュース

「尾身」と呼び捨てにでもしようものなら、不敬罪が適用されそうな勢いだ/倉山満

いいかげん、コロナはペストのようなものだ、などとの子供じみた妄想を捨てて、大人になろう

 そのオリンピックだが、大会委員長の森喜朗元首相が辞任に追い込まれた。女性蔑視の発言が理由とされたのだが、そこは本質ではない。皆、コロナ禍で苛立っているのだ。しかも、自粛の根拠が胡散臭いこと、この上ない。「これからの2週間が勝負だ」と日本人はどれだけ聞かされただろうか。今の日本政府に助言をしている医者ほど、嘘をつき続けて許された人間が歴史上いるだろうか。ここまでくると、もはや呪術師である。呪術師のタワゴトにたぶらかされて人々は苦しみ、憂さ晴らしに政治家など有名人を血祭りにあげる。森元首相は、生贄にされただけだ。  ここで菅首相に言いたい。このままでは、いずれ貴方が生贄にされるが、それでいいのか。  間違いなくコロナが何なのか、菅首相はよくわかっていないのだろう。それは仕方がない。今の時点で断定するなど、誰にもできるはずがない。わからない中で決断をしなければならない状況だ。だからこそ、誰が言っているかで判断すれば如何か。  著名なパヨク、パヨクofパヨクとも言うべき、香山リカ氏は尾﨑治夫氏を徹底擁護し、尾﨑氏を批判する保守論客を攻撃している。尾﨑氏を擁護するとは、当然ながら尾身氏を支持することとなる。そんな尾身・尾﨑路線に政権の命運を賭けていいのか。  コロナをペストのようなものとみなし、自殺者と倒産と失業を多発させるような自粛を強いる。それなのに数値目標が不明確でいい加減なのに、忍耐は無限だ。しかし、コロナ患者がゼロになるなど、子供じみた妄想が実現するなどありえない。結果、中途半端なコロナ対策で国民の不満がたまる。これで支持率が下がらない方が奇跡だ。菅内閣が尾身・尾﨑路線を採用し続ける限り、ジリ貧だ。このままでは、余命8か月、1年に満たない何もできない政権として野垂れ死にするだけだ。  それでもいいから今のコロナ対策しかないと言うなら知らないが、違うならば政局の転換を図るべきだ。

菅内閣が命運を託す人物とは

 政局の転換は、人事による。コロナ担当大臣に知見と信念のある専門家を据え、世論そのものを変えるしかない。では、知見と信念のある専門家とは誰か。たとえば、一貫して正しいことを言い続けた、元厚労省医系技官の木村盛世氏。あるいは、医療崩壊の問題を正しく指摘し続けている、医者で法学者の米村滋人東京大学法学部教授。日本は捨てたものではない国で、人材はいる。  だが、菅内閣が命運を託す人物となると、首相が実際に会った大木隆生氏に尽きるのではないか。尾身氏を筆頭とする既存の政府のアドバイザーは一掃。大木コロナ大臣で中央突破し、世論の転換を図るべきだ。  もはや、既存の助言者たちの「コロナはペストのように危険だ」との前提など、崩壊しているだろう。他の国はいざ知らず、わが国では「少しはしつこいインフルエンザ」だ。被害者が多い欧米でも「少しはマシなスペイン風邪」だ。いいかげん、コロナはペストのようなものだなどとの子供じみた妄想を捨てて、大人になろう。  そもそも、「自由を捨ててコロナの死者が1000人」の世界が、「コロナで10万人死ぬが自由はある」世界より素晴らしいと、いつ誰が証明したのか。  命は尊い。自由のない人生に、奴隷の人生に何の意味があるのか?  日本人は奴隷でも家畜でもない。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

噓だらけの日本古代史噓だらけの日本古代史

ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作は、日本の神話から平安時代までの嘘を暴く!

1
2
おすすめ記事