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ユニクロがウイグル問題で批判される中、CM起用の桑田佳祐は何を思うのか

 ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の発言が波紋を呼んでいます。4月8日の会見で、“自社商品に中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区で生産された綿を使っているか”との問いかけに、「政治的には中立な立場でやっていきたい。ノーコメントとさせていただきたい」と言葉を濁す一幕があったのです。  現在世界的な大問題となっている、ウイグル族の人権状況に対して、明確な態度を示さなかったことに、賛否両論が巻き起こっています。
uniqlo

世界中で展開されているユニクロ(C) Gveter2

ユニクロやZARAが、仏NGOから告発されたわけ

 アパレル業界と新疆ウイグル族の人権問題については、かねてから問題視されてきました。洋服の原材料となる綿花の生産に中国共産党が関与し、少数民族であるウイグル族を過酷な環境で強制労働させているのではないかとの疑念が囁かれ続けていたのです。いわゆるプチプラと呼ばれる服が安価で大量に生産されるのも、劣悪な状況を黙認しているからなのではないか、と言われています。  4月10日には、フランスのNGOなど3組織と、ウイグル自治区内の強制収容所の元収容者が、ユニクロ、ZARAなど4社を告発。新疆綿を使い続けるなら、中国によるウイグル族弾圧を黙認しているも同然、というわけです。  一方で、昨今欧米では、原材料の調達や生産過程の透明性を重要視するブランドがいくつか台頭しています。たとえば、デンマークのASKETは各製品ごとにコストや労働環境を事細かに説明していますし、同じデンマークのNN07も、木材パルプを再利用したテンセル素材のラインナップを充実させています。フランスのスニーカーブランドVEJAも、リサイクルゴムやペットボトルを再利用したプラスチックを使い、デザイン性と環境意識とを両立させる独自の路線を確立。  フェアトレードとエコは、もはや国際市場において必須条件となっているのです。

H&M、ナイキ、アディダスは、中国で不買運動も

 こうした動きに加えて、激化する米中対立や、ヨーロッパからも中国に厳しい視線が向けられる中、スイスに本部を置く「BCI」(ベター・コットン・イニシアチブ)が昨年10月に、新疆で生産されたコットンへの認証発行を取り消す決定を行いました。  ナイキやアディダス、H&Mといったブランドも続々と、新疆ウイグル自治区での強制労働に懸念を発表。これに中国国内で反発が起こり、当該ブランドの不買運動にまで発展する騒動となっています。
Young Uyghur Australian men

新疆ウイグル自治区での虐殺、強制労働に抗議するデモ(オーストラリア、アデレード。2021年2月26日)(C)William Ho

 ユニクロも欧米企業の動きに同調しており、2月21日に共同通信が報じたところによると、ソニーや日立製作所などとともに、「強制労働に関与した疑いがある中国企業との取引を停止する方針」の日本企業として名前が挙がっていました。  これらの経緯を踏まえて柳井会長の発言に戻ると、当初の対応に比べて後戻りしてしまった感は否めません。もちろん、当事者にしか知り得ない複雑な事情があるのでしょう。しかし、日本を代表する企業としては、たとえ建前だったとしても、人権問題として捉え続け、発信してほしかったというのが正直な感想です。
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ユニクロCMに起用された桑田佳祐は何を思うのか?
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