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いざというとき、男は女を守らねばならぬ。何が悪い?/倉山満

言論で殴ったら、殴り返される。殴られたなら、言論で殴り返す。それが、言論で戦う掟だ

 最近、国会でもSNSでの野放図な言論が問題視されている。契機は、女子プロレスラーの木村花さんが、SNSでの誹謗中傷を苦にして自殺した事件だ。木村さんはタレント活動をしていたが言論人ではない。その木村さんを言葉の暴力によって死に追いやった。やった人間は意図してはいないだろう。「死ね」などとツイッターで呟いても、本気の覚悟などカケラもなかっただろう。このような言論を規制すべきとの意見が多数派だが、私は違う。人を死に追いやる言論も含めて認めるべきだ。ただし、自分が命をもって償うなら。ところが実際には、そんな覚悟で言葉の暴力を行使している御仁などいない。だから規制が必要なのだが。  言論人以外の相手は守らねばならない。しかし、言論人どうしが言論で戦うなら、言論以外で戦うべきではない。たとえばボクシングの試合で拳銃を持ち出して相手を射殺しても勝ったことにはならない。プロの言論人でありながら自分が言論で負けそうになると、裁判に名誉毀損で訴えたり(あるいは訴えるぞと脅したり)、政治力を使って相手の発言の場を奪ったり、などなど、ボクシングで勝てないからと拳銃を持ち出すような輩が後を絶たない。ボクシングのリングで殴られたら、自力で殴り返す。それが嫌なら、最初からリングに上がるな!  言論のリングも同じで、殴り返される覚悟が無いなら、黙ってろ!  さて、件の呉座氏の発言である。本当のところ、誰が何を言われたか知らないが、言葉で殴られたなら、言葉で殴り返せ。以上。  ドーでもいい話だが、とある出版社が「倉山満がどれくらい悪口を言われているか」を調べたことがある。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で1日に5スレ消化。つまり、毎日5000個悪口を言われ続けていた。芸能人でもここまで悪口を言われたのは、紗栄子のみ。いわば「毎日が矢口真里」だった。いったい私が何をした?(苦笑)ちなみに、漏れ伝わる呉座氏の「誹謗中傷」「差別」など、私が言われたのに比べると、かわいいものだ。おかげで悪口など何を言われても平気になったが。  呉座氏の事件には、二つ注目する。一つは、呉座氏がある程度の人数が閲覧するとはいえ、非公開の場での発言により社会的制裁を受けたこと。「くわばら、くわばら」としかいいようがない。もう一つが、呉座氏を「ネトウヨ」呼ばわりするバッシングがまかり通っていること。  呉座氏は、自らを「リベラル」と宣言しておられる方である。その呉座氏を「ネトウヨ」とは、では叩いている側は呉座氏より左の極左だと自覚しているのだろうか。  フェミは、リベラルをも圧殺しようとしている。この危険性に、何人が気付いているであろうか。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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