更新日:2021年07月24日 12:01
エンタメ

炎上した霜降り明星・粗品に吉本の恩師が送ったメール

小山田圭吾の発言も酷いが任命責任もある

 この原稿を書いている最中に、オリンピック・パラリンピックの音楽担当だった小山田圭吾氏が辞任したというニュースが入ってきました。ご存じのように過去のいじめ発言が大炎上したことによる辞任なのでしょうが、なぜ辞任なのか? 組織委員会は解任では責任を問われるので「辞任」を待っていたのかと勘ぐっている方も多いのではないでしょうか? 私もその一人です。  音楽に疎いので、音楽雑誌のインタビュー記事を今回の騒動で初めてしりましたが、まぁ酷い! いじめというレベルをはるかに超えて虐待・暴行として刑事事件になっていてもおかしくない内容でした。私自身もいじめられた経験があるので、その時のことが蘇ってきて、本当に気分が悪くなりました。  あんなことをひとかけらの後悔もなく笑いながら話していた神経が信じられませんし、あの記事を読んで、炎上後に「深く反省しています」と言われても「ウソつけ!」としか思えませんでした。やはり組織委員会は今回のことがわかった時点で「解任」するべきだったでしょう。  小山田氏以外に何人の音楽担当者がいるのかわかりませんが、楽曲が間に合わないなら過去の名曲をしようすればいいんじゃないですか? それ以前に、オリンピック・パラリンピックという世界最大のスポーツイベントの関係者に任命する前にされるであろう人物調査をしていなかったのかが大きな疑問です。  炎上後、音楽関係者やファンが当たり前のように知っていた「いじめインタビュー」を知りませんでした、今回初めて知りました、はすまされるんでしょうか? なんでもかんでも任命責任を問うことに必ずしも賛成ではありませんが、今回は明らかに「任命責任」が発生する事案だと思います。

藤崎マーケットのトキもいじめに……

 今回の件で「辞任」でおしまいではなく、いじめ問題を考えるきっかけにしてほしいと切に願います。関わってきた芸人さんの中にも、かなりの数の人たちがいじめを受けていた経験があります。藤崎マーケットのトキ君は毎日のように先輩から殴られていたそうですが、「将来は絶対お笑い芸人になったんねん」と我慢をしていたと言います。  文部科学省が確認しているだけで60万件を超える「いじめ」。いじめを許すことなく、傍観することなく声をあげていきましょう! 文/本多正識
漫才作家。'84年、オール阪神・巨人の台本執筆を皮切りに、漫才師や吉本新喜劇に多数の台本を提供。'90年吉本総合芸能学院(NSC)講師就任。担当した生徒は1万人を超える。著書に『吉本芸人に学ぶ生き残る力』(扶桑社刊)などがある

吉本芸人に学ぶ生き残る力

NSC講師として1万人以上の生徒を送り出した伝説の講師が教え子たちに教えた生き抜く術とは

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