お金

借金500万円男。借金の金額を30万円間違えて猿芝居を打つ

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は68回目を迎えました。  今回は借金の金額を間違えてあたふたしたお話です。

弁護士からの電話

クレジットカード 毎月不定期にいくつかの弁護士事務所から電話がかかってくる。 「今月も期日までの返済ありがとうございます。お仕事の方は順調ですか?」  と、ざっくりした内容はこんな感じなのだが、その真意は「金余ってるなら多めに返せ」というものだ。  複数の金融会社と裁判で和解し、「今度こそは遅れずに返済をするぞ」と決めた僕は、裁判の過程でできる限り毎月の返済金額が少なくなるようにお願いしていた。これは裁判の中に「支払いが2回以上滞れば返済される側の相手が全ての約束を反故に出来る」というような内容が含まれていたからだ。  無資格のフリーターのおじさんが月に稼げる金額は少ない。絶対に守りたい約束をするならば、可能な限り簡単にするべきだろう。 「ギリギリですけど何とかやってます」  この手の会話はあまり好きではない。和解の末に決まった内容とはいえ、向こうとしても出来るだけ早く回収したい。一方こちらは手元に少しでも余っている金があればできる限り確保しておきたい。稼げてせいぜい30万程度の財布はあまりにも脆い。 「そうですか。順調なので安定した職場が見つかったのかと思いました。もし就職できましたら教えてくださいね」  過去、安定を手にした瞬間に返済義務の十字架の色が白から黒に見えてきて、その罰から逃げてしまった先人が何人いたのだろうか。絶対に収入源を突き止めようとする彼らの執念からは一切の油断を感じない。気持ちはわかる。  ところで、借金は時間の前借りだ。未来の自分に「あとは頼む」と全てを託す。 <もうこれで終わってもいい だから ありったけを>  ハンターハンターのキメラアント編で見せた主人公ゴンが「制約と誓約」によって発現させた力を見て、「借金だ」と思った。

借金は罪ではない。返済は罰でもない

 僕も、二度と無茶な遊び方ができなくなる代わりに現在では絶対集められない金を借りた。これが多重債務者の「制約と誓約」だ。きっと思い返せば同じ気持ちだった同志も多い事だろう。当時、その一瞬はそれくらいの決意を持っていた。  その後、代償として長い長い返済生活が始まるのだが、人はいつしか自らの制約を忘れてしまう。働き、金を返し、また働く日々の中で決意を忘れ、きっかけを忘れ、魔が差す。 「一体自分はいつまでこんなに可哀想な生活を強いられなくちゃいけないんだ」  この被害者意識こそが返済をする時に一番大きな障壁となる。まともな生活が続けば続くほど、普通の幸せに触れれば触れるほど、「自分はもう立派になったから赦されてもいいはずだ」と思い込むようになってしまう。借金をしたことは罪ではなく、返済は罰ではない。未来を払って、ありったけを買っただけだ。
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残額を確認して思わず……
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