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借金500万円男。金もないのにボートレースでさらにスッカラカンになる

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は64回目を迎えました。  今回はボートレースでスッカラカンになったお話です。

「教養とは何か」をスマホゲームで知る

平和島

ボートレース平和島 写真/SPA!編集部

「教養」とはつまるところ「自分ひとりでも時間がつぶせる」ということだ。  中島らもという作家の言葉だが、これは僕の好きな言葉のうちの一つである。  Youtubeで世界の巨大生物ランキングや最強の兵器ランキングのような動画を見ながら 「こうして時間をつぶせている自分には教養があるのかもしれない」  と呆けた顔で考えている。  いや、考えてすらいない。  そのとき、無為に捨てた時間を思い返す時の逃げ口上として言い聞かせている。実際のところは他人の作ったものを面白がって見ているだけなので全く当てはまってはいないのだが、言葉も時代と共に変化していくものだと言うし、令和の時代はこの解釈でも許されるだろう。  教養のある僕は、Youtubeとスマホのパズルゲームを駆使して時間をつぶしにつぶしていた。誰かが生きたかった明日も、誰かが何かの決意をした朝も、僕はYoutubeとスマホのパズルゲームをしていた。  スマホのパズルゲームは自分のフレンドがクリアしたステージの進捗状況も確認できる仕様で、始めたばかりの頃はみんな足並みを揃えていたのだが、最近はあまり進んでいないようだった。ステージ400くらいで止まっているフレンドが多い。僕は次でステージ1600だ。これも教養の為せる技だろう。

友人からボートレースの誘い

「5000円あげるんでボートレース行きませんか?」  と知人から連絡があった。彼とはかつてギャンブルに燃えていた頃に知り合った。  シケモクになってしまった僕に火をつけたいのか、教養がないから一人ではいられないのかはわからなかったが、「5000円くれるなら」とそれに応じる。  場所は平和島で、新しい家からは2時間近くかかったが、電車の中の孤独も持ち前の教養で乗り切ることができる。この2時間の間に、僕は新たに猛毒を持つ生物についての教養を得た。  平和島は本当に平和な場所で、レース場の近くにはパチンコ屋とショッピングモールがある。サイゼリヤや牛丼屋が多いのは負けてしまった人間への心遣いだろう。  集合場所に着くと、もう一人知人がいた。以前一緒にご飯を食べたことがある。純粋に人と見るボートレースが面白いから集まったのか。どうやら僕は「つぶす時間」と「つぶせない時間」の二つしかないと思い込んでいただけだったようだ。 「久しぶりですね、これ」  5000円が手渡される。 「うむ」  人から博打代を受け取る時の様子を忘れてしまった僕は、恥ずかしさも相まって変な返事をした。
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2時間かけて平和島へ……
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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