ライフ

絶対に放置してはいけない「目の疲れ」…治療を怠ると、失明に至るリスクも

「高齢者の病気」のイメージは誤解

梶原一人氏 日本人の失明原因の1位である緑内障は「高齢者の病気」というイメージも抱かれがちだが、実は「40歳以上の20人に1人は緑内障。総数は500万人にものぼると言われています」と梶原氏は警鐘を鳴らす。 「緑内障を発症する年齢は、個人差があるので一概には言えませんが、うちには20代で重症化して発見された方も珍しくありません。なかには9歳で緑内障が見つかった女児もいる。30代、40代で緑内障の検診を受けたことがない方は、必ず受けたほうがいいです」  会社の人間ドックで目の異常がなかったからといって、安心するのは早計だ。梶原氏によると、「人間ドックで緑内障を見つけるのは非常に難しい」という。 「症状がある程度進行した緑内障は人間ドックの検査で引っかかると思いますが、初期の緑内障を見つけるのは困難です。そもそも緑内障の検査には、特別な機械が必要なうえ、視野検査までやるとなると時間もかかるので、オプションで検査しているところもほとんどありません」

眼科医が緑内障に気づかないケースも…

 緑内障を早期に発見するには、眼科での検査が必要になるのだが、梶原氏によると「眼科医が緑内障に気づかないケースもある」という。 「失明寸前まで自覚症状がほとんどない緑内障は患者さんだけではなく、眼科医にとってもとてもやっかいな病気です。  患者さんの立ち場で眼科医の腕の善し悪しを判断するのは難しいかもしれませんが、説明がわかりにくかったり、検査結果に納得できなかったりしたときは、別の眼科で再検査してもらったほうがいいかもしれません。  私のところに相談される方も検査結果や症状についてちゃんと説明してもらえないと不安を抱えて、受診されるというケースも多く、『眼科難民』と呼んでいます」
次のページ
せっかく早期に発見できても…
1
2
3
ハーバード × スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25

名医が教える「100歳まで視力を失わない方法」

おすすめ記事