更新日:2023年08月29日 16:25
仕事

“恐喝で逮捕された”女子高生が「28歳で医学部に合格」するまでの紆余曲折

「管理をしたがる母」からの影響

「私は母子家庭で育ちましたが、母との関係性がよくありませんでした。母は何かにつけて私を管理したがる人で、『あんたは未成年で親の監督下なんだから自由にはできない』というのが口癖でした。私の交友関係にも当然に口を出しますし、好ましくないと母が判断した友人に『あなたと付き合って娘は不良になったから、今後は付き合わないで』と迫るのを聞いたこともあります。  高校時代の被害者には心から申し訳ないと思っていますし、すべてを母のせいにするつもりは微塵もありませんが、あの頃の私は紛れもなく母の影響を受けていたと思います」

「28歳で医学部に合格」した背景には恩師の存在が

 家庭に閉塞感を感じ、逃れたいと思えば思うほど非行に走る生活。荒廃した学生時代において、光明が見えてきたのは恩師との出会いだった。 「私は喘息持ちで、小児科によく罹っていました。そこには女性の小児科医がいて、どんなに忙しくても必ず駆けつけてくれました。家庭に安心できる場所のなかった私にとっては、先生の存在が救いでもあり、頼みの綱だったと今になって思います。また、先生は私の非行事実を真正面から叱ってくれる厳しい顔も持っていました。  義務教育さえまともに受けず、19歳で子どもを宿した私ですが、『先生のようなお医者さんになりたい』という思いだけは持ち続けていました。それから、子育てと受験勉強、アルバイトに全力で向き合い、28歳で医学部に合格しました
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「不良だった」からこそ理解できる
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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