資産2兆円のポール・アレン氏「戦艦武蔵は日本に寄贈したい」
マイクロソフトの共同創業者であるポール・アレン氏が発見した旧帝国海軍の戦艦「武蔵」が、戦中・戦後世代はもとより、往年の軍艦ファン、ミリオタまで多くの人を興奮のるつぼに巻き込んでいる。
⇒【3月6日に公開された動画】
http://www.youtube.com/watch?v=9qQDLfQpqdQ
なにせ、武蔵はあの「大和」の姉妹艦にして、旧帝国海軍が建造した最後の戦艦だ。両艦に搭載された46cm砲は世界最大を誇り、40km先の標的を攻撃できたというから、世界最強の艦に偽りなし。武蔵は竣工から2年足らずのレイテ沖海戦であえなく撃沈されてしまったが、「魚雷20本、爆弾17発、さらに無数の至近弾という、他に類を見ない集中攻撃を受けても10時間近く沈まなかった」(SPA!きってのミリオタ)と、その逸話は今でも語り草となっているのだ。 3/10発売の週刊SPA!では、『宇宙戦艦ヤマト』で知られる松本零士氏が武蔵に対する思いを熱く語っているのだが、気になるのは今回、武蔵を発見したポール・アレン氏のこと。なぜ、当時の敵国の、それもマイクロソフト共同創業者というまったく畑違いの人物が発見するにいたったのか? その背景を知るのは、SPA!の連載陣としてもお馴染みの中年金融マンことぐっちー氏だ。「日本人は彼のことを“アレン”って呼びますけど、本当は『アラン』です。彼はアレンと呼ばれるのを嫌がるから注意してください」と前置きしつつ、アラン氏との出会いを振り返る。 「僕がモルガン・スタンレーに勤めていたときから、アランとは友人です。当時のマイクロソフトはお金がなくて、困窮していた。それで、日本からも出資を募ろうと来日したときに、僕が50億円集めたんです。そのことを、アランは今でも恩義に感じてくれている。それ以降、何度もアランの自宅には遊びに行きました。もう、サンダーバードの基地のような自宅ですよ(笑)。2010年のバンクーバー五輪のときなんかは、その自宅の前の湖から、自家用水上ジェットを飛ばして、五輪会場に連れて行ってもらいました。今回、武蔵を発見するのに使った『オクトパス』という名のクルーザーにも何度も乗りました。僕も昔、お金を貯めて3億円のクルーザーを買ったんですけど、アランにオクトパスを見せられたときは唖然としましたね。僕の船の何倍もの大きさですから。4階建てだから、もう客船クラス。当然のようにプールが備付で、ヘリも積んでいて、無人潜水艇も搭載しています。それと、シャンパンを山ほど(笑)。沖に出ては、何日もシャンパンを飲んだくれて過ごすわけです」 米経済紙『Forbs』の2015年版長者番付によれば、アラン氏の資産額は175億ドル。日本円にして2兆1000億円! マイクロソフト以外にも複数の企業の大株主となっているほか、6つの財団を傘下に率いるポール・G・アレン財団を運営し、NFLのシアトル・シーホークス、NBAのポートランド・トレイルブレイザーズ、プロサッカーリーグのシアトル・サウンダーズのオーナーも務めているのだ。そんな超資産家にはもう1つの顔があった。 「マイクロソフトのイメージからアランをエンジニアだと思っている人がいると思いますけど、彼が大学時代に専攻していたのは考古学です。昔からトレジャーハンターになりたかったとよく話していました。あまり知られていませんが、過去にアランは1898年のアメリカ=スペイン戦争のときの沈没船を引き上げています。そのときに見つかった財宝で200億円手に入れた、という話をしていました。今回、武蔵を探した理由について、『父親が太平洋戦争に従軍していたから興味があった』と話しているようですが、実際には一番になりたかったっていうのが理由でしょう。彼は『大和はすでに発見されているから、俺は武蔵を見つけたいんだ』と10年ほど前から話していましたから。アランはものすごい負けず嫌いなんですよ。共同創業者なのにビル・ゲイツにも対抗心丸出し。というのも、ビル・ゲイツを口説いたのはアランですからね。だから、『なんで、ビルばかり注目を集めるんだ……』と悔しがってた時期もあるようです(笑)」 そんなアラン氏に、今回、ぐっちー氏は祝福のメッセージを送ったという。 「『おめでとう』メールを送ったら、アランから『日本に寄贈したいと思っているんだけど、フィリピン政府が介入してきて困っている』という返信がありました。どうやら、自腹で引き上げて、無償で日本政府に寄付するつもりだったみたいですよ?(笑)。どれだけ太っ腹なんだ!って話ですけど、彼にとっては数百億円の引き上げコストなんて屁でもないのでしょう。『フィリピン政府から買い取ってでも寄付する』とメールをくれました。本当にスケールの大きすぎる男です!」 武蔵が日本に帰還する日はそう遠くない!? アラン氏の心からのご活躍をお祈り申し上げます! <取材・文/池垣 完(本誌) 写真/AP アフロ>
http://www.youtube.com/watch?v=9qQDLfQpqdQ
なにせ、武蔵はあの「大和」の姉妹艦にして、旧帝国海軍が建造した最後の戦艦だ。両艦に搭載された46cm砲は世界最大を誇り、40km先の標的を攻撃できたというから、世界最強の艦に偽りなし。武蔵は竣工から2年足らずのレイテ沖海戦であえなく撃沈されてしまったが、「魚雷20本、爆弾17発、さらに無数の至近弾という、他に類を見ない集中攻撃を受けても10時間近く沈まなかった」(SPA!きってのミリオタ)と、その逸話は今でも語り草となっているのだ。 3/10発売の週刊SPA!では、『宇宙戦艦ヤマト』で知られる松本零士氏が武蔵に対する思いを熱く語っているのだが、気になるのは今回、武蔵を発見したポール・アレン氏のこと。なぜ、当時の敵国の、それもマイクロソフト共同創業者というまったく畑違いの人物が発見するにいたったのか? その背景を知るのは、SPA!の連載陣としてもお馴染みの中年金融マンことぐっちー氏だ。「日本人は彼のことを“アレン”って呼びますけど、本当は『アラン』です。彼はアレンと呼ばれるのを嫌がるから注意してください」と前置きしつつ、アラン氏との出会いを振り返る。 「僕がモルガン・スタンレーに勤めていたときから、アランとは友人です。当時のマイクロソフトはお金がなくて、困窮していた。それで、日本からも出資を募ろうと来日したときに、僕が50億円集めたんです。そのことを、アランは今でも恩義に感じてくれている。それ以降、何度もアランの自宅には遊びに行きました。もう、サンダーバードの基地のような自宅ですよ(笑)。2010年のバンクーバー五輪のときなんかは、その自宅の前の湖から、自家用水上ジェットを飛ばして、五輪会場に連れて行ってもらいました。今回、武蔵を発見するのに使った『オクトパス』という名のクルーザーにも何度も乗りました。僕も昔、お金を貯めて3億円のクルーザーを買ったんですけど、アランにオクトパスを見せられたときは唖然としましたね。僕の船の何倍もの大きさですから。4階建てだから、もう客船クラス。当然のようにプールが備付で、ヘリも積んでいて、無人潜水艇も搭載しています。それと、シャンパンを山ほど(笑)。沖に出ては、何日もシャンパンを飲んだくれて過ごすわけです」 米経済紙『Forbs』の2015年版長者番付によれば、アラン氏の資産額は175億ドル。日本円にして2兆1000億円! マイクロソフト以外にも複数の企業の大株主となっているほか、6つの財団を傘下に率いるポール・G・アレン財団を運営し、NFLのシアトル・シーホークス、NBAのポートランド・トレイルブレイザーズ、プロサッカーリーグのシアトル・サウンダーズのオーナーも務めているのだ。そんな超資産家にはもう1つの顔があった。 「マイクロソフトのイメージからアランをエンジニアだと思っている人がいると思いますけど、彼が大学時代に専攻していたのは考古学です。昔からトレジャーハンターになりたかったとよく話していました。あまり知られていませんが、過去にアランは1898年のアメリカ=スペイン戦争のときの沈没船を引き上げています。そのときに見つかった財宝で200億円手に入れた、という話をしていました。今回、武蔵を探した理由について、『父親が太平洋戦争に従軍していたから興味があった』と話しているようですが、実際には一番になりたかったっていうのが理由でしょう。彼は『大和はすでに発見されているから、俺は武蔵を見つけたいんだ』と10年ほど前から話していましたから。アランはものすごい負けず嫌いなんですよ。共同創業者なのにビル・ゲイツにも対抗心丸出し。というのも、ビル・ゲイツを口説いたのはアランですからね。だから、『なんで、ビルばかり注目を集めるんだ……』と悔しがってた時期もあるようです(笑)」 そんなアラン氏に、今回、ぐっちー氏は祝福のメッセージを送ったという。 「『おめでとう』メールを送ったら、アランから『日本に寄贈したいと思っているんだけど、フィリピン政府が介入してきて困っている』という返信がありました。どうやら、自腹で引き上げて、無償で日本政府に寄付するつもりだったみたいですよ?(笑)。どれだけ太っ腹なんだ!って話ですけど、彼にとっては数百億円の引き上げコストなんて屁でもないのでしょう。『フィリピン政府から買い取ってでも寄付する』とメールをくれました。本当にスケールの大きすぎる男です!」 武蔵が日本に帰還する日はそう遠くない!? アラン氏の心からのご活躍をお祈り申し上げます! <取材・文/池垣 完(本誌) 写真/AP アフロ>
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