ライフ

八百屋が教えるスーパーで「美味しい冬野菜」を1発で見分ける方法

野菜の鮮度を保ち、痛まないようにする保管方法

 次は野菜の保管方法についてだ。せっかく店頭で美味しい野菜を目利きし、購入したとしても、鮮度を損ってしまえば意味がない。うまく鮮度を保ち、痛まないようにするためには何が必要なのか。 「白菜やキャベツといった葉が巻く野菜(結球野菜)は、包丁でザクッと切ると表面が酸化し、劣化しやすくなってしまいます。葉を一枚ずつはがすようにすると、外の葉が中の葉を守ってくれて長持ちします。  また、食べないぶんは新聞紙に包み、立てるように冷蔵庫で保管すると長持ちします。大根は三等分に切って、濡れたキッチンペーパーに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫に入れておくと日持ちします。ちなみに白菜も立てて保管するといいですが、半日ほど天日干しにすることで水分が飛び、日持ちするようになります。少し手間がかかりますが、味も甘くなるので、一度試してみるといいかもしれません」  野菜を千切りやいちょう切りにして、料理に使うときまで「冷凍保存」しておくのもおすすめだと岩本さんは言う。 「冷凍保存しておくことで、野菜の細胞膜が壊れ、味がしみやすく、出汁が出やすくなります。また、熱も通りやすくなるため、調理時間も短縮されることから、まさに一石二鳥と言えるでしょう」

冬野菜を使った定番の鍋料理はダイエットにも◎

小林青果

小林青果が展開する店舗事業

 これからの時期は冬野菜の生産量が増えることで、野菜の価格も落ち着いてくる。さらに冬野菜は体を温める効果が高く、お鍋や豚汁などの汁物料理との相性は抜群と言える。 「私自身も、2022年の年末から一人鍋をよく食べるようになりました。旬の野菜に生姜やニンニクを加え、好みで肉や魚も入れてもいい。いろんな具材の栄養が取れる鍋はダイエットにも非常に効果的で、1年で16kgも痩せることができたんですよ。たくさんの具材を食べるので、炭水化物も少量撮るだけで済み、血糖値の高さも改善されましたね」  岩本さんが社長を務める小林青果は、青果の卸売が主軸の会社だが、最近では福岡県や佐賀県に小売店を9店舗運営。そして2022年1月からEC事業部を立ち上げ、メルカリや楽天、ヤフー、アマゾン、自社ECなど、野菜・果実のネット販売を始めている。 「スーパーマーケットには出せない“良い野菜や果物”を出品できるんですよ。これからも主軸の事業は継続しつつ、ネット販売にも注力していきたいですね」  今が旬の冬野菜を存分に楽しむために、八百屋が教える目利き術を養っておくといいかもしれない。寒い季節にぴったりな鍋料理の野菜選びに生かしてみてはいかがだろうか。 <取材・文/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
1
2
3
おすすめ記事