ダイハツ・タントが販売台数トップになれたのはなぜ?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
軽自動車(軽四輪自動車)とは、道路運送車両法施行規則で全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下、排気量660cc以下、定員4名以下、貨物積載量350kg以下の車両を指し、これらを1つでも超えると普通車になってしまうのです。そんな制約のなかで切磋琢磨してきた結果、誕生した食パン王タント(勝手に命名)が、ついに天下を取りました!
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MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆“走る食パン”ダイハツ・タントが販売台数トップになれたのはなぜ?
食パン天下を制す! ダイハツ・タントが4月の国内販売ランキングでトップに立った!
昨年度1年間のランキングでは、アクアとプリウスのトヨタ・ハイブリッド連合がワン・ツーを決め、普通車の意地を見せたが、4月はついに力尽き軽の軍門に下った。個人的にはアクアのオーナーなので、王道たるロールパン型自動車が、新興食パン型軽自動車に敗れたのは非常に悔しい。いったいなぜ、タントがトップに立ったのか!?
自動車販売の事情通・遠藤徹氏によると、「アクアやプリウスは、消費増税前の駆け込み需要の反動がモロに出ました。しかしタントは昨年10月の発表以来絶好調で、ここ5か月、軽自動車の販売ラキング首位を走り、納車3か月待ちの状態。その受注残の大きさが勝負を決めましたね」とのことである。
SPA!読者諸君は軽自動車に無知だろうから解説すると、タントという車名は「たんと積む」というところから来ている。10年前、初代タントが登場した時は、その走る食パンのようなルックスに絶望的な気分になったが、子育てママを中心に大きな支持を受け、徐々にシェアを拡大してきた。
’11年末にホンダが同カテゴリーのN-BOXを発売して大ヒットさせると、昨年はスズキもスペーシアをリリースして追撃。本家たるタントは3代目に進化して巻き返しを図った。今年は日産/三菱連合がデイズルークス/ekスペースで追い打ちをかけ、ついには食パン型が軽自動車の主流にまで成長し、天下を取ったという寸法だ。
食パン型軽は、とにかく室内が広い。全高は175cm前後。女性がシートに座ると天井に手が届かないほどの摩天楼だ。そしてひたすら真四角。後席は足元が広すぎて恐怖を感じる。クラウンはもとより、ベンツSクラスよりも広い。こんなもんが税金バカ安で買えるんだから、見栄を捨てればこれしかなかろう。
そんななか、タントがライバルのN-BOXを再逆転した理由は、左側ピラーレスのミラクルオープンドア&両側スライドドアにある。これはライバルにはないタントだけの機能で、とにかく乗り降りがメッチャ楽。子育てから介護まで、ゆりかごから墓場までおまかせできる、高齢化社会ニッポンの理想的なトランスポーターなのだ。
⇒【後編】「 【急坂アクセルベタ踏み対決】タントvsアクアの勝者はどっち?」に続く https://nikkan-spa.jp/655701
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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