雑学

歴史ファンにオススメしたい瀬戸内海の“穴場”

瀬戸内海「北木島」

今年度の本屋大賞を受賞した『村上水軍の娘』の舞台でもあるなど、観光熱は高まる一方

 瀬戸内海に浮かぶ「北木島」をご存知だろうか? 瀬戸内海といえば、アートに特化した観光開発で人気スポットになった「直島」、サイクリストに人気の広島県・尾道と愛媛県・今治を結ぶ「しまなみ海道」などがとくに人気で近年、多くの観光客が訪れている。

 しかし、北木島という名前を耳にしたり、まして実際に訪れたことがある人となると、ほとんどいないのではないだろうか?

 岡山県に属する北木島は人口約1000人、岡山県の笠岡港からフェリーで1時間程度、瀬戸内海の岡山県と愛媛県の間に浮かぶ笠岡諸島ではいちばん大きな島だ。と言っても7.49平方キロメートルは全国の離島の中では狭い部類で、同じ笠岡諸島の島の中でも風光明媚で知られ、映画『二十四の瞳』のロケ地にもなった「真鍋島」に比べるとその知名度はけっして高くない。

 では何故、記者がこの島を穴場として勧めるのか? まず、第一にそれはこの北木島から日本史を彩った多くの歴史的建造物が生まれているからである。

 実は北木島、古くから良質の花崗岩が採れることで知られており、それは「北木御影石」として広く珍重されてきた。北木島の石は大阪城の石垣、明治神宮の参宮橋、日本銀行本店、三越本店、靖国神社の大鳥居など、その時代を代表する建築物に使われてきたのは知る人ぞ知る話である。

 採石業は現在でも漁業と並んで島の重要な収入源で、島内の至る所で採石場を目にすることができる。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=702109

 採石場はもちろんだが、かつては多くの働き手で賑わったことを忍ばせる古い集落やその痕跡に、歴史ファンなら郷愁を覚えるだろう。

 島には片手で数えるほどしか宿泊施設はないが、もちろん瀬戸内海の新鮮な海の幸が存分に味わえる。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=702213

民宿「グルメ北木島」の晩御飯

記者が宿泊した民宿「グルメ北木島」の晩御飯。新鮮な瀬戸内海の魚貝類を扱った絶品料理の数々

 また記者が訪れた8月はじめ、夏のシーズンピークでも砂浜は水遊びする人はまばらで、さながらプライベートビーチのような気分が味わえるのもうれしい。

北木島の砂浜

記者は砂浜に朝9時~夕方16時まで滞在したが、地元の子どもが数人遊びに来たほか、老漁師に出会ったのみ。観光客には一人として出会わなかった

 手垢にまみれた観光地の喧騒にうんざりした人、一味違う旅を楽しみたい人にこっそりオススメしたい北木島はまさに瀬戸内海の“穴場”である。

<取材・文/週刊SPA!離島愛好班>




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