キングコング西野がNYで独演会を開催した理由。「日本で嫌われているなんて信じられない」の声
一つ発言すると必ずネットが炎上する。発言してもいないのに何故かネットニュースに「炎上」と書かれる。ある種、神がかった嫌われぶりで世間を賑わすキングコング西野亮廣。
4月13日、ニューヨーク・オフブロードウェイ「プレイライツ・ホライズン・シアター」にて、『西野亮廣独演会 in ニューヨーク』が開催された。
独演会とは、西野が12年前から日本全国50か所以上で行ってきたトークライブ。90分間、一人でセンターマイクに向かって喋り倒す。満を持しての海外進出をこの目で確かめようと、ニューヨークへ同行した。
初の海外公演の開催地をニューヨークにしたのには理由があるという。
「2年前の冬にニューヨークで絵本の原画展を開いたとき、凍えそうなほど寒かったんですよ。そんななか、現地ボランティアの方々がずっと外で呼び込みをしてくださって。その時に約束したんです。絶対にまたニューヨークで何かやります、と。中には僕が芸人ということを知らない方もいらっしゃったので、ここはお笑いを見せとかんとなぁ、ということで独演会をやることになりました」
昨年夏、2000席を満席にした『独演会 in 日比谷公会堂』DVDの売り上げを元に開催された今回のニューヨーク公演。現地での儲けではなく、日本での売り上げで開催することに意味があるのだという。
「“恩送り”みたいなことです。日本でDVDを買ってくれた人たちから、ニューヨークの人たちへのお笑いのプレゼント。今回も物販に独演会のDVDを置きます。その売り上げで今度はスペイン、台湾というふうに公演を展開していく。直接的にチケット代を支払うのではなく、お客さんが次の土地のお客さんにお笑いをプレゼントしていく、という形にできたら面白いんじゃないかと思うんです」
◆ニューヨーカーにどんな話をしたのか?
公演日、開演時間30分前にはロビーに200人が溢れ返った。初めて生でお笑いを観る人がほとんどだ。会場に来ていたニューヨークで活躍する著名な日本人コメディアン曰く、「ニューヨーカーは笑いに飢えている」という。ニューヨークの目まぐるしい喧騒の中で、仕事だったり結婚生活だったり恋愛だったり、漠然とした焦燥だったり。一見、世界の中心と思しきニューヨークの人々の、心は実に病んでいるというのだ。
そんなニューヨークの闇とは対照的な西野の底抜けの明るさが、独演会に来た観客にも伝わったのだろう。公演が終了すると、溢れんばかりの握手とアンコールが鳴りやまなかった。
「ニューヨークでは、一体どんな話をするのか?」も注目されたところ。現地入りから公演までの2日間、ニューヨークでの面白エピソードをたんまりと仕入れていた西野。しかし公演が始まってみるとその内容は、天然すぎる母、欠陥の多いUSJ、ノンスタイル石田のずっこけ話など、日本での公演とさして変わりはなかった。
「話すことを事前には決めないんです。漫才は別として、トークライブは常にお客さんの反応を見て話します。今回は日本の芸能界の話をしたらどっと笑いが起きたので、この人たちはこういうのを求めてはるんや、ということですね。ライブは生モノで、その時々のお客さんとのコミュニケーションです。だからこそライブをやるというのはワクワクするんですよ」
一昨年の原画展を訪れて以来、西野の動向を見てきたという年配の女性に話を聞いた。「西野君が日本で嫌われているだなんて信じられない」――。クレバーであり、行動力があり、真っすぐな性格。アメリカでは評価されるのにと、残念そうだった。
西野のやっていることは、アメリカのエンターテイナーのそれに近いという。SNSを活用したセルフプロデュース。マイク1本で喋るスタンドアップコメディのスタイル。お笑いに留まらないアーティスト活動。取材を進めるなか、「正直、お笑いよりも、またニューヨークで原画展をやってほしい」との声も聞こえてきた。それについて、西野はこう話す。
「絵のほうが、届けるのは楽だと思います。第一段階として、単純に言語の壁がないですから。でも僕は芸人であって、お笑いをやっている時が一番楽しい。絵が嫌いなわけではないですけど、お笑いで海外を回れたらええなぁと思うんです」
“嫌われ西野”が、お笑いのプレゼントをトランクに詰めて海を渡る姿が目に浮かぶ。 <取材・文・撮影/尾崎ムギ子>
【西野亮廣】
’80年、兵庫県出身。’99年に相方・梶原雄太とキングコングを結成。翌年、NHK上方漫才コンテスト・最優秀賞受賞。’01~’12年、フジテレビ系列『はねるのトびら』メインMCを務める。’05年、呑み屋でタモリに勧められて絵本を描き始める。’13年、ニューヨークにて原画展開催。’14年、『独演会 in 日比谷公会堂』で2000席を満席にした。
●8月には日比谷公会堂で再び開催!
『西野亮廣独演会 in 日比谷公会堂2015』。8/1(土)開演17:00、全指2000円。問:0570-550-110(よしもと予約問い合わせダイヤル)
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