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風営法が改正されても既存のクラブは潰れる!? 本末転倒な事態が起こる予感

クラブ 週刊SPA!本誌7月21・28日合併号で特集した「改正風営法を巡る問題」。クラブの24時間営業解禁を目玉として、6月17日に参議院本会議で可決された改正風営法だが、実際の現場への落とし込みには様々な壁があるようで……。本誌に引き続き、国際カジノ研究所所長の木曽崇氏に解説してもらった。

「今回の改正では、風営法内に『特定遊興飲食店』という項目を新設し、そこにダンスクラブをカテゴライズすることで、24時間営業を許可する仕組みを作りました。狙いは、オリンピックに向けた外国人観光客の誘致、そして“夜の賑わい”の創出だと言われています。この“夜の賑わい”という点で、ダンスクラブと同様に風営法で規制されてきた雀荘・ゲームセンター・パチンコなども、特定遊興飲食店に倣う形で今後深夜営業解禁の対象となる可能性があります」

 こうした動きについて、さるパチンコ業界関係者に話を聞いた。

「風営法改正の動きに合わせて、パチンコ業界にも動きが出て三重県の年末年始のオールナイト営業のようなことが、他の都道府県でもひょっとしたらできるかもしれない。でも、まぁ、無理でしょうね。風営法改正で一番オイシイのはクラブじゃないでしょうか。でも、それだって一部のクラブにとってはオイシイどころか、店を畳まなきゃならなくなりますからね」

◆改正風営法の運用は各都道府県の条例による

 既報のスポーツバーやライブハウスへの悪影響以外にも、このパチンコ業界関係者が指摘するように現場レベルで深刻なデメリットが発生する可能性があるのだ。デメリットを発生させるのは、実際の運用が各都道府県の条例によるところにある。

「実際の運用に関しては、今後施行される政省令ならびに各都道府県の条例が大きな役割を果たします。つまり、政省令や条例で深夜営業の許可条件が厳しく設定されてしまうと、実質営業できる店舗は限られてしまう。中でも被害甚大なのが既存店です。新規店舗は新たなルールの範囲で開業すればOKですが、既存店はそうもいかない。住宅密集地、病院や学校が近くにあるとアウトの可能性が高く、これには渋谷や六本木の繁華街も含まれます」(木曽氏)

 つまり、法律上は深夜営業がOKであっても、政省令や条例により深夜営業が許可されないケースが生まれるかもしれないのだ。例えば、ある県では「条例で定められた特定の地域(※主に繁華街)のみ特定遊興飲食店の深夜営業を認める」と定められるかもしれないし、またある県では「地域は限定しないが、病院や学校から半径100m以内は営業できない」となるかもしれない。同じような条例でも「地域は限定しないが、病院や学校から半径100m以内は営業できない。ただし、条例施行前までに営業していた既存店については営業を認める」という但し書きが付くことも考えられる。とにもかくにも、条例しだいでいかようにも運用されるので、そうそう諸手を挙げて喜べるとも限らないのだ。

 今のところ都内の既存クラブで確実に許可が下りそうなのは歌舞伎町くらいだと木曽氏。しかし、外国人観光客の誘致を謳いながら、外国人観光客が多く集まる六本木が危ういというのは、なんともちぐはぐな話だ。

 そして、このことを記者がクラブ関係者に告げると、目を丸くして驚くばかり。

「クラブ文化を守るための市民運動がようやく実を結んだのだと思っていましたが。許可が得やすい立地を大手資本に押さえられ、24時間営業をウリにされたら、許可をもらえず0時閉店の店舗は、経営的に厳しくなるかもしれませんね……」

 深夜解禁に沸くクラブ業界だが、蓋を開けてみれば、老舗有名店は軒並み深夜禁止というずっこけた展開も……。1年以内の施行という予定だが、条例制定を機に「改正風営法」が再び物議を醸しそうだ。

取材・文/SPA!風営法改正取材班

週刊SPA!7/21・28合併号(7/14発売)

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