浅草寺の「雷門」が姿を隠して1か月…観光客からは「残念」「むしろ“レアな光景”」の声も
何も知らずに浅草へ訪れた観光客はみな残念がっているだろう――。
東京観光のシンボル、浅草寺の雷門で屋根瓦1枚が地上に落ちているのが発見されてから約1か月。浅草寺の緊急調査はまだ続いている。雷門は門全体を工事用の囲いで覆われており、必要に応じて修理されている。調査と修理は6月末ごろまで行われる予定だが、その物悲しい姿の前に、普段の観光客のにぎわいはない。
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浅草寺によると、5月20日、門の北の本堂側に瓦が落ちていると修学旅行の引率の教員から雷門交番に連絡があり、当日のケガ人はなかった。瓦は縦15センチ、横24センチ、厚さ1センチ、重さ1キロ程度で、寺の職員が駆けつけたところ仲見世側の門の最上部付近の瓦がなくなっており、ここから落ちたとされている。瓦は近くの菓子店に届けられていたという。この状況について浅草寺の公式ホームページには記載されておらず、何も知らない観光客が訪れるのも無理はない。
浅草寺の「雷門」は、江戸時代末期の1865年の火災で焼失。1960年に松下電器(現パナソニック)を創業した松下幸之助が現在の門を寄進し95年ぶりに再建されたが、瓦は当時のまま変わっていない。現場付近は立ち入り禁止となり、最近はようやく「雷門」と書かれた大提灯を見ることができるようになったが、しばらくは外からほとんど見えない状態が続いていた。
2015年の訪日外国人が過去最高の1973万人となり、どこを歩いていても外国語が聞こえてくるようになった東京。とりわけ浅草寺はその筆頭だ。
友人と観光で訪れたフランス人男性は「なんだこれ! 知らなかったよ、残念だし、悲しいね」と雷門の前を去り、近場の東京スカイツリーへと向かった。さらに、浅草で人力車をひく俥夫(しゃふ)の一人は「人力車は雷門の記念撮影をしながらその流れで営業をかけるのが基本ですが、今ではその姿の前で撮影する家族やカップルはほとんどいません。姿が見えなくなってから1か月、6月に入って売上げはほぼ半減です…」と現状についてこう語る。
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