高校野球はいつまで、炎天下の真っ昼間に試合をするのか? 鴻上尚史が日本の夏に思うこと
― 週刊SPA!連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―
暑いですなあ。暑い時に暑いって言うのは、なんとも芸がなくて嫌なんですが、しかし、暑いもんは暑いです。
もう、日本は亜熱帯気候になったんだよねえ、とずいぶん前に、この連載で書きました。だから、ジャケット着用のビジネスマンを街で見ると心底、同情します。
おいらは、7月1日から8月31日までは半ズボンと決めています。冠婚葬祭以外、相手がどんなに偉い人でも、どんなに正式な場所でも、この二か月はとにかく半ズボンです。
この前は、文部科学省の人に呼ばれて、ある案件について話しましたが、半ズボンでした。昔、高校演劇コンクールの全国大会で審査委員長を務めましたが、半ズボンでした。
政府の人達は「かりゆしウェア」を推進しようとしていますが、どうせなら「半ズボン」もお願いしたいと思います。この国はそういう気候になってしまったのです。
ただ、ここ数年、流行としては、半ズボンの長さがどんどん短くなっています。新しいのを買うと、膝上の丈で、小学校低学年か! という突っ込みを自分に入れるぐらい恥ずかしいのです。毛も剃ってないですし、あんまりたくさんの部分を見せるものではないと思って、僕は必ず膝下丈のものにしています。どうでもいい話だと思ってるでしょう? でも、僕なりのエチケットです。
今の子供たちは、僕の子供の頃のように、夏を楽しみにしているんだろうかと思います。こんなに暴力的で凶暴な暑さの夏は、嫌になってるんじゃなかいと心配するのです。
ニュースでは、海水浴客がどんどん減っていると言っていました。いろんな事情があるんでしょうが、僕は勝手に、海に行くとクソ暑くて、ベタベタして、砂がついて、海の家はクーラーが効いてなくて、なんてことが理由だと想像してます。
さて、半ズボンでタクシーに乗ると、ものすごく冷えている時があります。そういう時は、ほぼ間違いなく、タクシーの運転手さんがジャケットを着用しています。タクシー会社のマニュアルというかルールだと思います。
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