パラリンピックのイメージを一変させる“えげつない球技”とは?
~今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第39回~
※前回の話…スポーツ好きブロガーのフモフモ編集長が、東京五輪でチケットが買えそうな穴場競技探訪へと出かけました。今回のターゲットは、パラリンピックのゴールボール。仮に東京五輪の生観戦がかなわなかったとしても、五輪と同じ会場を使用するパラリンピックであれば、その“残り香”を楽しむことができるはずと考えたフモフモ編集長。ちなみにゴールボールとは目隠しをした選手が、音だけを頼りに相手からゴールを奪う団体球技で、一般的にはほとんど馴染みのない競技だが、そこで思うわぬ魅力を発見することに……
万全の「お静かに」配慮の中、息を殺して試合を見守ります。両チーム、コートに3人ずつの選手が出まして、横幅9メートルのゴールを守ります。コートの長さは18メートル。その18メートルを6メートルずつに区切り、投球時は「自分側ゴールに近い6メートルまででワンバウンド」「中央の6メートルでワンバウンド」の最低2回はバウンドさせないと反則となります。
反則を犯すと、サッカーのPKのようなペナルティスローが敵チームに与えられ、相手の攻撃を1人で受けるという大ピンチになります。1人で9メートル幅をカバーするのですから、これを止めるのはかなり難しい。音で判断するスポーツだけに、しっかりとバウンドさせないと厳しいペナルティがあるわけですね。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1268518
こちらも耳をすましてボールのバウンド音を聞き、せっかくならボールの軌道を予測しようなどと思うのですが、若干の違和感が。何だか微妙に「うるさい」のです。基本的には静かなのですが、肝心なときにうるさい。誰が選手たちを妨害しているのかと思ったら、選手たち自身がワリとうるさいのです。相手チームがボールを持てば、その歩く音や、わずかな衣擦れの音、そしてボールのなかの鈴が鳴る音を聞いて「右!」「中!」などと声を上げています。
まぁ守備側がうるさいぶんには、自分たちが不利なだけだからいいのかなと思って大人しく聞いていると、攻撃するほうもワリとうるさい。投球する選手は当然足音などを立てるのですが、それ以外の選手がワザと床をバンと踏んだり、ドカドカと足音を立てて歩いたり、積極的に音を出して妨害工作をしています。
「うわぁ…観客の静寂への努力台無し…」
パラリンピック競技についつい期待してしまう
「苦労している人が、頑張って前向きに生きている聖人感」
というのは、ダーティーな妨害工作を繰り広げる選手たちを前にしてガラガラと崩れていきます。
むしろ、
「勝ちたい」「勝つんだ」「勝てば官軍」
という生臭い勝利への執着がみなぎっています。
「普通に音で妨害していいんだ」という発見は、よくも悪くも僕の色眼鏡を外してくれました。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1268519
1
2
※フモフモ編集長の「今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪」第1回~の全バックナンバーはこちら
『自由すぎるオリンピック観戦術』 スポーツイベントがあるごとに、世間をアッと言わせるコラムを書き続ける、スポーツ観戦ブログ『フモフモコラム』の中のひとによるオリンピック観戦本 |
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ