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走った気になる「環状2号線」解説 超高層マンション群の谷間を駆け抜けるSF感覚のヨロコビ

 築地市場移転延期の影響で開通が遅れていた、東京臨海部の幹線道路・環状2号線が、11月4日に暫定開通したので、道路マニアの私も、その翌日に走ってみた。

11月4日に開通した環状第2号線(豊洲~築地)暫定開通区間(東京都建設局報道発表資料より)

こんな立派でガラガラな道路は東京ではここだけ!

 まずは、豊洲市場前から都心方面へ向かう。片側3車線の広々とした道路で、正面には晴海や勝どきの超高層マンション群がそびえる。開通直後は開通マニアが集まったので、それなりの交通量になったようだが、翌日はもうまったくガラガラ。こんなに立派でガラガラな道路は、東京には他にゼッタイない。  豊洲大橋を渡って晴海へ。晴海五丁目交差点は平面交差なので信号があるが、とにかくガラガラなのでまったくストレスなく通過。この交差点を左折した先には、オリンピック選手村が建設中だ。

移転延期のせいで工事が遅れ築地大橋までの区間は片側3車線から1車線に

 交差点を過ぎて少し行くと、1車線が清澄通りに分岐して片側2車線に減少。遮音壁(超高層マンション群への騒音防止目的)の手前でさらに1車線減少して、片側1車線になる。ここから築地大橋までの区間は、片側2車線の計画だが、現状、旧築地市場内が暫定1車線のため、その約1km手前から1車線に絞っているのだ。道幅は3車線から一気に1車線に減ってしまうが、透明な遮音壁の両側には超高層マンションがそびえていて、風景はまるで未来都市だ。  遮音壁を抜けると築地大橋だが、上り方向の車道部はやっぱり片側1車線。橋の幅員は最大48mもあるのに! 48mの幅をフルに車道にしたら12車線以上取れる計算だが、橋の上は歩道部の幅が非常に広いので、ドライブよりむしろ散策に適している。

幅員が32.3m~48mある築地大橋(東京都建設HPより)

 築地大橋を渡って旧築地市場敷地内に入ると、現在取り壊し中の市場内建物を避けるために、道路は大きくS字にカーブ。暫定迂回区間に入る。この区間はトンネルになる計画だが、小池都知事が豊洲への市場移転を延期したため、工事に取り掛かれなかった。オリンピック開催時もこのままの状態で迎えることになる。トンネルの開通は2022年の予定だ。
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環状2号線暫定区間を快適に走れるのは11月いっぱいか!?
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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