時代に取り残された男たちが進むべき道とは
ポリティカル・コレクトネス(政治・社会的に公正な表現)が叫ばれ、パワハラやセクハラへの関心が高まる昨今、嫌われれば、そのリスクは大きい。だが、残念ながら、年齢を重ねて中年になるほど嫌われる言動をしてしまうもの。期せずして嫌われてしまう中年男性たちは、どうすれば愛されるのか? 評論家で愛されたいオジサン代表の常見陽平氏と、作家で愛されオジサンアドバイザーの鈴木涼美氏が、「愛されオッサン論」を語り尽くす!
鈴木涼美氏と常見陽平氏
<女性500人に聞いた! 中年男性の嫌われポイント>
※20~39歳の女性500人を対象にしたアンケートと街頭取材を敢行。各言動に“なし”と答えた女性の割合
・仕事における嫌われポイント1位……仕事のやり取りをする上でLINEなどSNSのIDを聞く 64.6%
・容姿における嫌われポイント1位……全身脱毛をしていてヒゲなどがまったくない 45.2%
・日常における嫌われポイント1位……BBQやホームパーティなどイベントに誘ってくる 62.6%
・恋愛における嫌われポイント1位……「彼氏いるの?」と聞いてきて、恋愛相談したがる 75.6%
<緊急討論>愛される男子になるには?
常見:アンケートの結果を見させていただくと、予想したよりは寛容なんですよね。もっと手厳しい結果かと思った。
鈴木:最近の潮流を見ていると、権力者としての力があることを前提に語られる傾向がありますよね。でも、実際にオジサンはそんなに強くない。その点はかわいそうだなあと思います。
常見:そうそう、僕なんて家ではペットの召し使い猫「バニラちゃん」という設定で完全に尻に敷かれていますからね。娘にも毎日「嫌いにならないでね」って言ってる(笑)。買い出しも料理もゴミ捨ても全部僕がやるし、叱られたらすぐに謝罪。「男じゃオラ!」みたいな振る舞いは一切しませんよ。
鈴木:バニラちゃん(苦笑)。でも、そういう生き方は時代にはマッチしてますよね。嫌われない生き方と言いますか。
常見:僕の7、8歳上がバブル世代で、少し上から下が氷河期世代。ちょうど僕は端境期の世代なんですよ。だから、バブル世代ほど派手好きじゃないけどユニクロだけじゃ幸せになれない、みたいな微妙な痛さがあるのかも(笑)。
鈴木:バブル世代は……。最近はもう国賊みたいな嫌われぶりじゃないですか。私が20代のときに相手にしていたのがバブル世代のオッサンで、とにかく品がなくてダンヒルのライターを持ってるみたいな(笑)。そういう人たちはどうしても「時代」に嫌われてしまう。
常見:だからといって若者に媚びるのも痛いから難しい。
鈴木:時代の空気を感じ取って対応していけばいいんですよ。それが若者に媚びたり、過度に嫌われたくないと思い始めたりするとおかしくなる。変にオシャレするのは最悪です。若い女のコに「オシャレですね」と言われたらダサいってこと。「このオッサンはオシャレって思われたいんだな」という気持ちで言ってるんですから(笑)。
常見:そうなんだ。怖いなあ(笑)。僕は都市伝説だと思っていたんだけど、飲みの席とかで「オレは〇〇物産だぞ」「東大出てるんだ」みたいなことを言う男の人ってホントにいるんですよね。大学とか会社とかで価値が規定されている人が意外と多い。