更新日:2023年05月24日 14:22
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新型コロナは長すぎる安倍政権のメッキを剥がしてくれた/倉山満

断言する。もはや安倍晋三は、菅直人にも劣る無能者に落ちぶれてしまった!

言論ストロングスタイル

2月26日、新型コロナウィルス感染症対策本部における安倍晋三首相(手前)。安倍首相は民主党政権を「悪夢」と揶揄したが、今でも同じように笑えるだろうか 写真/時事通信社

 世間は、コロナウィルス一色である。病原体の発生源である中国は、パニックと化している。中国は、そもそも独裁体制の国である。当然、入ってくる情報が錯綜する。真相など、後にならなければわかるはずがない。問題は、「どうするか!」であって、「どうなっているのか?」などわかるはずがない。しかも、今回のコロナウィルスは新型で、有効なワクチンも無い。  これにつられてパニックを起こしたのが、日ごろは「保守」を標榜する言論人どもだ。最初は、怪しげな統計を使って「被害者1万人」からはじまったのだが、ネット媒体ではマトモな検証がなされないのをいいことに、「被害者65万人」「感染者1億人」「18か月で6500万人が死ぬ」などと、数字だけが暴走している。「テレビや新聞は嘘ばかりだけれども、ネットには真実がある」などと信じているご老人は、さぞ不安がっただろう。保守言論人の少なからずの連中は、善良で何も知らないご老人を脅し騙し、不安がらせるのが商売なのだから。ネット保守の言論など、オレオレ詐欺と同じだ。  燻るのが「武漢肺炎は生物兵器説」だ。まことしやかに中国情勢を語る輩の話を聞いてみると、生物兵器と化学兵器の区別もついていない。中国への敵愾心を煽るのは結構だが、私のように本気で中国共産党の日本への敵対行為を警戒する人間からしたら迷惑だ。これでは中国を批判すれば、マトモな人から頭がおかしい人と思われてしまう。  私は、今回の中国発の伝染病が、生物兵器かどうかは知らない。検証する能力もない。あらゆる可能性を排除せず警戒すべきだ。同時に冷静さを保ち、正しく警戒すべきだ。間違っても、パニックを扇動するような真似をしてはならない。  では、今回のウィルスが生物兵器だとして、あるいは風邪かインフルエンザ程度の病原体だとして、大事なのは、「どうするか!」ではないのか。結局、今のところコロナウィルスは、感染力は高いが老人や病人を除けば、死者がでるほどの殺傷力はない。対策は「風邪と同じで、免疫をつけるしかない」のである。繰り返すが、正しく警戒すべきだ。  コロナウィルスは、長すぎた安倍政権とその御用評論家どものメッキも剥がしてくれた。コロナウィルスをめぐり、「楽観論と悲観論、どちらが勝つか」という世にも愚かな論争が繰り広げられている。そういう勝負をすること自体が恥ずかしいと、誰も教えてくれずに大人になったのだろう。幇間芸人どもは、ド~でもいい。問題は安倍政権そのものだ。  iPS細胞の研究予算を削ろうとして山中伸弥教授を激怒させたのが、和泉洋人首相補佐官と、不倫関係にあると言われる厚労省の大坪寛子審議官だ。ただでさえ国賊級のバカップルが、コロナ対応を大混乱させているのは、週刊SPA!連載「週刊・匿名記者座談会」で先週既報の通り。もはや安倍政権の腐敗は、頂点に達した。  昨年夏の参議院選挙で、安倍晋三首相は「あの民主党の悪夢に戻していいのか?」と有権者を脅して、選挙に勝った。  しかし、民主党政権3年半、安倍政権7年強。どちらが我々日本人にとって、有害だっただろうか。後世の歴史家の評価を待つまでもなく、我々が審判を下すべきではないだろうか。コロナ如きでこの大混乱の安倍内閣、1000年に1度の大震災が来たら、間違いなく地獄を見るだろう。断言する。もはや安倍晋三は、菅直人にも劣る無能者に落ちぶれてしまった!
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もはや1日でも長く続けば、国家の損失
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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