脱毛症に悩んだ女性が“ウィッグ”で人生激変「ハゲても楽しく生きられる」
「髪型をもっと自由に。帽子などと同じで、“ウィッグ”をファッションの選択肢のひとつとして着せ替え感覚で被ってもらいたくて」
こう話すのは、ウィッグブランド「NEJIKO(ネジコ)」を展開するハゲカノさん(27歳)。17LIVEやTikTok、YouTube、InstagramなどのSNSでもウィッグの魅力を発信し、総フォロワー数は約80万人を誇る。
とはいえ、もともとはウィッグが大嫌いだった。学校なんて行きたくない。体育で汗もかけないし、自転車に乗って強い風に吹かれるのも怖い。青春真っ盛りのはずなのに、オシャレがぜんぜん楽しめない。すべて、ウィッグのせいだ——。
高校1年生の頃に突然、髪の毛が抜け始めた。原因不明の「脱毛症」。それ以来、彼女の生活にウィッグは欠かせないものとなった。地元・福岡県から東京都内までいくつもの病院に足を運んだが、治る気配はいっこうにない。
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そしてウィッグと向き合うようになって約10年。ハゲカノさんが自分に自信を取り戻し、新たな“ファッションアイテム”として世の中に定着させるべく奮闘する姿に迫った。
高校に入学してからしばらく経ち、ちょうどオシャレに興味が湧いてきた頃だった。
「当時、私は黒髪ロングでした。すこし猫っ毛だったので、それはそれで悩みがあったのですが、個人的には好きな髪型だったんです。
ただ、まわりの友人たちが初めて“コテ”を使って髪の毛を巻くようになった時期に……。自分もこれから楽しもうと思っていた矢先、巻こうとするとパラパラ抜けていく。ショックでした。最初は抜けてしまった部分を他の髪で隠していたのですが、それでは間に合わなくなってきて」(ハゲカノさん、以下同)
そこで、インターネットを使ってウィッグについて調べるようになった。だが、高校生だった彼女はその値段に驚かされた。
「友人の間では、ギャル雑誌で活躍していたくみっきー(舟山久美子)の影響などで、休日には“ファッション用”のウィッグを被るのが流行っていました。しかし値段が安いぶん、ふだんの見た目としては不自然なんです。
私の高校は校則も厳しかったので、“医療用”じゃないとダメだと思って。検索すると、出てくるのは高額なものばかり。元の黒髪ロングの長さだと、20万円ぐらいは必要でした。さすがに、その金額は親にもお願いできないなって。ベリーショートでも10万円は掛かるのですが、それにするしかありませんでした」
いきなりベリーショートにしては、まわりが驚いてウィッグだと気づかれてしまう可能性がある。“もともとベリーショートだった子”に思わせるため、時間をかけて徐々に短くしていったという。
高校時代、パラパラと抜け落ちていく髪の毛に大ショック
元の髪型を再現するには20万円、“医療用”ウィッグの値段に驚愕
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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