ヒラ社員のまま40代…出世できないサラリーマンの苦悩
40代でヒラのままというのは、今後増えていくとはいえ、なかなか現実を受け入れられない会社員も多い。教育塾を運営する会社に現場の社員として15年勤める多田さん(仮名・43歳)は、「数年前、教育方針の食い違いで上司とモメて目をつけられて以来すっかり出世枠から外されました」と表情が暗い。
「同期には、取締役クラスもいるので完全にナメられていますね。わざと私に聞こえるように後輩女子に対して、『あいつはデキない男だから』と耳打ちしているんです。おまけに家族や親戚からもその程度の人間だと扱われる毎日です。いっそ出世は諦めて、会社でも起こさないと人生の逆転を図れない気がします」
私生活への影響も大きい。健康機具系メーカーの下請け会社に勤める宮内さん(仮名・40歳・勤続年数12年)もヒラ社員だ。
「入社当時は技術職として採用され、ここ10年ひたすら開発の日々。別の部署に行ってマネジメントをしたい気持ちもありますが、所詮下請けなので……。我々のような下請けの技術者の夢は、やっぱり企画から携われるメーカーの社員になることですね! とはいえ、この年で採用してくれるのかといえば、難しいんじゃないでしょうか」と、自分自身の力量不足を嘆く。
一方、役職こそあれど、名ばかりだと不満を漏らすのは、日本郵政で郵便局本局の“主任”の佐藤さん(40歳)。事情があるようだ。
「一応、主任って肩書きは付いていますが、ほかの企業のそれとは違って名前だけ。社員は一定期間働けばほぼ自動的に昇進でき、私も20代後半で主任になりました。ただし、実質的には平社員と変わらず、局内では1コ上の総務主任から役付きという認識なんです」
給与もそれほど反映されているわけではない。課長クラスになっている同期を見ると焦る気持ちもあるが、「あんな忙しくする覚悟も責任もないから、このままでいいような気もします!」(佐藤さん)という諦めなのか単なる強がりなのか、よくわからなくなっているようだ……。週刊SPA!8月4日号では、「会社員の9割は課長になれない!」という特集を組んでいる。身につまされる話ではあるが、勇気をだしてご一読を。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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