「アイツは◯◯大卒だから使えない」出身大学フィルターはなぜ発生するのか?
大学合格発表の季節である。高校別の合格者数ランキングが週刊誌を賑わせ、遠い昔の受験生時代に思いを馳せている人も多いだろう。だが、ノスタルジーに浸っている場合ではない。学歴は、今なおアナタにつきまとっている。卒業後ウン十年たっても「アイツは◯◯大卒だから使えない」などと言われてしまうことはままある。
今回、週刊SPA!が35歳以上の会社員約4000人にアンケートを取ったところ、3人に2人が「パーソナリティと出身大学にはなんらかの関係があると思う」と回答した。
こうした「大学フィルター」はなぜ発生するのか? 産業医の榛原藤夫氏はこう指摘する。
「結局のところ、出身大学が周囲にどう思われるかというのは、所属する組織において、その大学がマイノリティなのかどうかという一点にかかってきます。『東大のくせに使えない』なんてセリフが出てくるのは東大生の存在が珍しい組織だからこそ。東大生がフツーにいる財務省では、わざわざそんなこと言いませんからね」(榛原氏。以下同)
榛原氏によると、「マイノリティというのは、ハイリスクハイリターン」なのだという。目立つときは必要以上に賞賛を得られるけど、そうじゃないときは『やっぱ使えない』となる。さらに、人間は“見たい物語”を見る生き物なので、偏差値が高いマイノリティは“ダメであってほしい”というフィルターで見られることが多い。そこで不当な評価を得て、心折れるケースもあるでしょう」
とりわけ「同質性の高い集団」から一転して「マイノリティ」となった場合に、心折れるケースが多い……と榛原氏。
「同質性の高い集団とは、平たく言えば“付属カルチャー”の強い大学です。早稲田にも慶應にも付属校がありますが、付属上がりが幅をきかせているのは圧倒的に後者。青学や立教もしかり。これらの学生を、僕は“オレラー”と呼んでいますが、『俺らが集まればなんでもできるよな!』というノリで互いを褒め合うカルチャーに身を置いていると、根拠のない全能感が湧いてくるんですね。そのキラキラが、社会に出た途端に消え失せるんです(笑)」
一方で、「オレラー同士でつるみながら起業したり、IT企業の中で同僚同士が褒め合いながらアゲアゲで会社を成長させたり、今の時代、同質性の高い集団には成功要素が多いのもまた事実」。吉と出るか凶と出るか、学歴とは賽の目のようなものである……。3/8発売の週刊SPA!では「使える/使えない大学裏ランキング」という特集を組んでいるので、気なる方はぜひ手にとってもらいたい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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