大流行の街コンは、Over35でもイケるのか?【後編】

 ふと入り口を見ると、2人組の女子が所在なげに佇んでいた。脱兎のごとく駆けつけ「お酒持ってきましょうか?」。声掛けをすると話に応じてくれた。聞けば八王子から来たという22歳の新米看護師。地方出身で五反田はおろか東京も初心者、街コンも初めてで、雰囲気に呑まれているという。

「白衣」「寮住まい」「夜勤明け」キャバクラよろしく質問攻めにしてしまうのはオヤジの性。助平な入院患者のエピソードに興奮し、微妙な空気が流れ、逃亡を許した。

 仕方なく次の店を目指す。しかし飲み屋やバーの土地勘はなくウロウロ。やっとのことで辿りついた店はドアを開けた瞬間男しか見えず、尻尾を巻く。続く店も同様で気持ちが萎えそうに……。

野郎だらけ

どの店に行っても野郎だらけの状態が続く。あぶれた野郎たちは女のコのリリースをじっと待つか、知らぬ男同士、固めの酒をあおるしかない

 この時点で4時間の制限時間のうち2時間が経過。焦って早足になるが、運動不足が祟ってか、息もたえだえ、そこに酒が回り、まんまと千鳥足になってしまった。

 次の店は人もまばら。店の常連と思しき参加者や40歳くらいの単独男性が合コンそっちのけで和気藹々とカウンターで飲んでいる。

 席につき、お冷でも頼もうとすると、数組の女のコが入ってきた。色めきたつ店内。力を振り絞り駆け寄ると、2人組のゲットに成功。

「おじさんなんだけど大丈夫?」。3人で声を揃えて言うとややウケ。「バツがついてる?」「その年でフラフラしてるの?」など毒舌をかまされつつも話は弾んだ。

 2人は25歳のOLで地元の同級生。なんと常磐線沿線からの遠征組で初街コンだそう。

「お父さんより年下なら恋愛対象」という2人を結局30分間おだて、電話番号ゲットに成功した。

やっとのことで電話番号ゲットに成功!

やっとのことで電話番号ゲットに成功!

 ラスト1時間となると、泥酔者が続出。手当たり次第声をかける輩も現れ、「カオス状態」に。店を変えて女のコに声をかけていると、先の店で電話番号をゲットしたOL2人組が入ってきて気まずい雰囲気に。あとで必死に弁解するハメになった

 五反田は俺たちに優しかった。果たして他の街コンはどうだろうか? スパムが参戦するという立川にこっそり参加してみようか。

◆Over35のための街コン心得

【単独では行くな!】
20代女子の話題を一人で受け止められる猛者はまずいない。結果、同年代の単独参加者が男同士で飲む光景が散見された

【常に先手をとれ!】
競争相手の少ない時間に開場入りを。年だという照れや見栄は自分の首を絞める。若者は厳しい競争時代を生きているのだ

【若者と張り合うな!】
オヤジ全開が意外と好感触。「若い男は勢いだけで話がツマらない」とオラオラ系口説きに疲れたコが後半多く現れた

【酒を飲みすぎるな!】
店を移動するのに意外と体力を消費する。飲み放題などもある街コンのシステムだが、前半から潰れては元も子もない

『苫米地記者の咆哮』
「年だから……」。照れや見栄が出会いのチャンスを狭める!

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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