記者にとって情報は命である。情報がなければ仕事が成り立たない。現場でネタを引き出すためには、常に平常心を保ち、機転を利かせることが重要だ。時には噂の現場を潜入取材することもある。記者の仕事は、まるで“スパイ”のような一面もあるかもしれない。しかし、ぶっちゃけ過去にはバレてしまい冷や汗をかいた経験も一度や二度ではない。改めて訓練が必要なのではないかと考えていると、ある噂を聞きつけた。
場所は、秋葉原。ここに、スパイの訓練が受けられる日本初のバーがあるらしいのだ。
某国の情報機関、秋葉原支部に潜入
メイド喫茶やコンカフェが乱立する通りは、相変わらず多くの観光客で賑わっていた。噂の店が入っているという雑居ビル。かなり急勾配の階段を上ると、入り口が見えた。扉には「CIA秋葉原支部」と書かれている。恐る恐る扉を開けると……。
「スパイ希望の方ですか?」
そんな出迎えに一瞬ひるみつつも、店内に足を踏み入れる。今回、訪れたのは「スパイBAR AkibaCIA」だ。長官のソラ・マルティネンコさんと新人のRi2さんが説明する。
「ここでは、スタッフとお客さんが一緒になって、一流スパイを目指して訓練ができるんです」みんなで遊べるゲームがなんと、140種類以上!
世界各国のお酒やフードのほか、金庫破りや錠前破りなどスパイを彷彿させるアミューズメントメニューがあり、成功すれば割引が適用されるらしい(たとえ失敗しても何度でも挑戦できる)。
乾杯の後、しばらくするとウソ発見器が登場した。困惑していると、どうやら僕にダブルスパイ(敵のスパイ)の疑いがかけられたらしい。機械に手をかざす。 「すべての質問に“いいえ”で答えてください。まず、あなたは巨乳が好きですか?」
いきなり下ネタが飛んできた!思わずソラさんの胸元をチラ見する。しかし、ウソ発見器にまったく変化は見られなかった。
「あれれ、おかしいな。普通はこの質問でみんな一発目からアウトになるのですが……」
実は僕、小さなお胸も大好物なのである。その後も書けないレベルのキワどい質問を受けるが、ド変態の僕には通じない。ソラさんが目をじっと見て言う。
「では、浮気はしますか?」
平静を装いながらも心当たりがなくもなかった。ここで大きな反応を見せるウソ発見器! やはり、僕は訓練が足りないようだ。
一夜限りのスパイ希望者は秋葉原まで……
ともあれ、次第に宵も深まっていく。ソラさんもだいぶ酔っているのだろうか?
「実は昔、ダメ男に貢ぐ女として漫画『だめんず・うぉ~か~』に登場したことがあるんです」
過去の恋愛に関して自白するソラさん。ある意味、スパイとして情報を引き出すことに成功した? スパイのコンセプトはもちろんだが、そんなスナックのようなノリもありつつ、何時間も居座ってしまったのだった。
【スパイBAR AkibaCIA】
住:東京都千代田区外神田3-2-11 遠藤ビル2F
電:03-3255-8336
営:18:00~23:30(月~木・日・祝)、18:00~翌5:00(金・土・祝前日)
料:60分800円(以降30分ごと300円)、フード350円~、ドリンク500円~
http://www.akibacia.com/
撮影/長谷英史
-
マエザワ エロ本出版社出身、元ギャル男雑誌編集者。無類の外国人好き。趣味は「夜の国際交流」
-
マエザワの他の記事