「あそこの女将さんはね、美人で有名だよ!」
JR京浜東北・根岸線の本郷台駅からタクシーに乗り込み、目的地を告げると、運転手のおっちゃんがこう言ったのだ。小料理屋「華々や(かかや)」は、駅から10分程度の長沼町にあった。のれんをくぐると、店主の越智ゆき子さんが出迎えてくれた。
「先日は、うちの娘が本当にお世話になりました」
じつは第五百五十九夜で紹介した元アイドルのダーツバー店長・越智りんかさんのお母さまなのである。横浜で小料理屋を営んでいると聞き、興味を引かれたのだった。料理も人生相談も“ママにおまかせ”
開店前、料理の仕込みに精を出していたゆき子さんが「ちょっと休憩」と言ってカウンター席の端に腰かける。その仕草は、まるで壇蜜さんのように色気がある。
ゆき子さんはタピオカの移動販売などを経て、料理が得意だったことから約6年前に小料理屋を開いた。小上がりにはちゃぶ台が並び、どこか懐かしい雰囲気。常連客は中高年だけではなく、20代も少なくないそう。今や口コミで広がり、戸塚や大船からも多くの人が訪れるという。「第二の家みたいに思ってもらいたい。嫌な出来事があったときもココでワンクッション置いてもらって。スッキリしてから家に帰ってほしい」
ゆき子さんは店をひとりで切り盛りしているが、混雑時は「お客さんに助けてもらう(笑)」とのことで、普段のアットホームな様子が伝わってくる。料理は大皿がその日のオススメで500円程度だが、定番メニューはなく、基本的には“ママにおまかせ”スタイルなのだとか。「お客さんに何が食べたいのか気分を聞いて季節に合わせた食材で作ることが多い」
僕は出してもらった海鮮ユッケを肴に、夏日で渇いた喉にハイボールを流し込む。
ミセスコンテストに出場「挑戦に年齢は関係ない!」さて、そんなゆき子さんだが、巷の評判に違わぬ美しさ。昨年ミセスコンテストに出場し、ファイナリストに。そして見事、賞を受賞した。
「コロナ禍で店を休業中に新しい挑戦がしたいと思って。年齢にかかわらず、自分を磨いて輝き続けることで、たくさんの人に影響を与えたい」ミセスコンの出場がきっかけで、タレント・荒木師匠の婚活用アパレルブランド「アプレ・ガール」のモデルも務めることに。今後は演技の仕事や、小料理屋でたくさんの人生相談にも乗ってきた経験から婚活・恋愛塾を開く予定とか。そうこうしているうちに、開店時間を迎えた。同時に常連客らしき男性が入ってきた。強く美しい女将のファンになる気持ちがわかる。今度来るときは、ゆき子さんに仕事や恋愛などのアドバイスをもらいに来よう(笑)。
【華々や(かかや)】
住:神奈川県横浜市栄区長沼町281-1 センターショップ102
※奈光谷(なこうやと)バス停前
営:19:00~24:00
料:予算3000円程度~
電:090-4099-8305
(※現在は予約優先での営業のため、事前に要TEL。ショートメールでも対応可)
撮影/長谷英史
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マエザワ エロ本出版社出身、元ギャル男雑誌編集者。無類の外国人好き。趣味は「夜の国際交流」
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