歌舞伎町のイケメンホストが握る江戸前鮨を心ゆくまで堪能!

 新宿に一風変わった寿司屋がある……。

 そんな噂を耳にして調べてみると、なんと現役ホストが大将として鮨を握っているという。ホームページを見ると「ホスト歴14年の大将SHUNが握る」とあり、そこには私と同じ男とは思えないイケメンが、いなせな板前姿で現れたのである。

 いつもはイイ女を求めて夜をさまよう私だが、今回ばかりはイケメンの握る鮨に酔ってみたいと思い新宿歌舞伎町へ向かった。

俺の夜一手間かけた鮨の旨さに思わず唸る

 相手がホストということで、同伴をお願いしたのはSPA!のボートレース連載でも登場したOLのチエコ。

「ホスト? え? いいんですか? 私、実は“初回荒し(※初回料金のみを狙っていく客のこと)”なんですよ~」

 そんな行く前から目がハート状態のチエコと暖簾をくぐったのは、ホストのSHUN氏が大将を務める鮨店「へいらっしゃい」だ。

俺の夜

「私も握ってもらいたいです♥」と、この後のホストクラブに行く勢いの同伴チエコ

 優しい笑顔で出迎えてくれたのが今回の主役、大将のSHUN氏だ。SHUN氏はホスト歴14年、現役バリバリのホストとしても活躍されている。21時までは鮨を握り、それからホストとして出勤しているというから驚きだ。

俺の夜「私のいるホスト、Smappa!Groupで新規事業をできないかと議題に上がり、鮨はどうかと提案したのがきっかけです」

 当時は鮨はおろか、料理もしたことがなかったSHUN氏だが、なんとそこから親戚の鮨店に修業に入り、昼は鮨屋、夜はホストとして修業に勤しんだとのだとか。

俺の夜

鮨は煮きり醤油を塗って食べる江戸前スタイル。ネタさばきや一手間かけた鮨は見た目も美しく、もちろん旨い。仕込みはすべてSHUN氏が行っている

「厳しかったですね。姿勢が悪いと尻を引っぱたかれるんです(苦笑)。でも、そのおかげで、こうして握れるようになったんです」

 そう言って、アジ、エビ、ホタテとこの日、オススメのネタをSHUN氏は握ってくれた。

俺の夜「お、おいしいぃぃ! ホタテあま~~い!」

 同伴のチエコが隣で食べるたびに騒ぐ。正直なところ、ホストが片手間にやっているのだろうと高をくくっていたのだが、アジには切り込みを入れ、鯛はすだちと塩で出すなど、しっかりと“仕事”をした鮨のレベルの高さに驚いた。

鮨もホストも一生修業。その姿勢に思わず惚れる!

俺の夜

「鮨をやってみたいって後輩がいればいいんですが、誰もいない(笑)」と話すSHUN氏。ホストと二足の草鞋を一人でこなす

「当たり前のことなんですが、おいしいものしか出したくないんです。修業中にも叩き込まれたんですが、妥協は絶対にしちゃダメ。鮨職人は一生が修業のつもりで、板場に立っています」

 その語り口は、完全に職人である。では、それでもホストを続けるのはなぜなのだろうか。

「鮨もホストも両方面白いんです。鮨はおいしいものを作って味わってもらいたい。ホストはモテ続けようとするプライド……ですね」
 現在はコロナの影響もあり、完全予約制で営業をしているという。宵の口に鮨をつまみながら一杯……というのも粋だろう。

俺の夜【へいらっしゃい】
住:東京都新宿区歌舞伎町1-12-15 新宿第7ビルB1
電:03-6273-9541
営:18~21時
完全予約制。料金、営業日はTwitter@hey_rasshai_まで
SHUN氏は「Smappa! Hans Axel von Fersen」でプロデューサーも務める

撮影/赤松洋太 取材協力/沼澤典史 スペシャルサンクス/チエコ

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