細い。出だし2行って……斬新すぎるだろ! だが、ギリギリまで写真を大きく使おうとしたデザイナーの心意気やよし! これから紹介するメンヘラ不謹慎暴力冥土バー「ちんちろりん+」の女性たちは、それくらいの価値がある。
なにせオーナーのちるちる☆いちるさんは、現役の人気ストリッパー。スタッフのおりゅぴ丸さんは、スプリットタンに二の腕までぎっしりのリスカ痕にカービィのタトゥーにと……とにかくすんごい。
歌舞伎町の最深部にふさわしい訳のわからなさ。ちょっと収拾がつかないので、まずはいちるさんに最新のストリップ事情について聞いてみた。舞台と同じくらいお店に立つのが好きです
「一日3~4ステージ×10日。これが1セットで全国を巡業する感じです。お客さんは、男性はおじさんやおじいちゃんがメインだけど、最近は若い女のコもいて、そのままストリッパーとしてデビューするコもいます」
本番まな板ショーはもちろん、女性器を使った芸である“花電車”も、いまや見ることはない。代わりに昭和アヴァンギャルドやゴス、コスプレといったカルチャー色の強いショーが主流で、女性に人気なのだという。「でも、大変ですよ。バチバチの縦社会だし、音源作り、演出、振り付け、メイク、衣装は全部自前。出張公演中は宿泊費がもったいないから、楽屋で寝泊まりしたり。私がデビューしてから劇場も4つくらい閉館になりました。でも、逆境だからこそ負けん気が出るのかも。今年は月に1回は新しい演目を作るようにしています」
コンカフェと勘違いしたら大やけど
などと取材を進めるが、どうしても集中できない……。というか「メンヘラ不謹慎暴力冥土バー」って何!?
「お店はコンカフェっぽいけど、コンカフェとかガルバと勘違いしてきた人に『ひっかかってやんの、バーカ(笑)』っていうお店です。たまにウェーイが間違って入ってきちゃうけど、音速で帰りますね。トー横のぴえん系とも違う。基本は大人の変態さんが集まるお店なんです」(おりゅぴ丸さん)どことなくゴールデン街や下北沢に近いカルチャーのにおいが漂う。実際、漫画家などクリエイターも多く訪れるという。おりゅぴ丸さんは言う。
「オーナーのいちるさんが女性だから、変に水商売っぽいコよりも、性格がよくて面白いコが多いんです。居心地がよすぎて、私もオープンからずっと続けているし。女性のお客さんも過ごしやすいと思いますよ!」
たしかに編集部の飲んだくれ女性部員も常連。新宿ラヴァーの終着駅、いや冥土がここにある。
【メンヘラ不謹慎暴力冥土バー「ちんちろりん+」】
住:東京都新宿区歌舞伎町2-13-4 第6金嶋ビル3F
電:20:00~
休:年中無休
料:チャージ1000円、ドリンク800円~
※営業時間や酒類提供の有無が変更になる可能性があります。詳細や最新の営業情報はTEL:03-6874-8609もしくはTwitter(@bar_chinchiro_)にて
撮影/髙橋慶佑
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