港区出身、美大卒。夜の六本木のセックスシンボルに酔いしれる

 ロアビル解体、リモートワークの定着――いつの世もバブリーな港区・六本木も、時代の波には抗えないのか……。自粛期間を経てようやく通常営業に戻りつつあるこの街を、久しぶりに訪れてみる。

俺の夜

憧れの女性は「メデューサ」で、好きな男性のタイプは「シュワちゃん」。「私が暴れても受け止めてくれそうな人」なら年齢不問とか

 年末年始、ミッドタウンやヒルズはイルミネーションのインスタ映えを狙う観光客で相変わらず賑やかだ。一方、夜の街はやはりどこかおとなしい。ワールドカップの日本戦の後、先輩の命で慣れないナンパに悪戦苦闘した駆け出し時代の苦い記憶が甦り、今となっては少し寂しくもある。

シャンパン乱舞の古き良き「ザ・六本木」

 そんな思い出に浸り、勝手にしんみりしていたが、「ヤバいプロパリピがいる」と連れられていった「RiG@R4F」でたまげた。DJブースにポールダンス、そして鬼のように並ぶシャンパンの空き瓶。

俺の夜「ちょうど一昨日と昨日がスタッフの誕生日イベントで、さすがに胃がやられました(笑)」と店長のRINKOさんはあっけらかんと語る。店自体はカウンターとボックス4つほどでそこまで大きくはない。

俺の夜 女性スタッフも基本はRINKOさん一人。それでいて、2日で開けたというシャンパンはざっと50本近くはある。それが軽い胃痛で済む世界……やはり今も六本木は魔境だ。

 もともとロアビルに入っていたこの店、客層も音楽関係者などを中心に古き良き六本木カルチャーを知る人々が集う。界隈では超有名人というRINKOさんの半生も波瀾万丈だ。

俺の夜「『ターミネーター』に憧れて、美大を出て特殊メイクアーティストになったんです。でも、きらびやかなスクリーンとは対照的に、現場はガチの肉体労働。しかも、メイクで使う薬剤にアレルギーが出ちゃって、結局、ぼろぼろになって夢を諦めました」

特殊メイクからOLそして、夜の蝶へ

 燃え殻になり実家に戻ったRINKOさんだが、たまたま歌舞伎町の夜の店のオープニングスタッフにスカウトされる。それが、今や有名店の「ギラギラガールズ」。

「メイクアーティスト時代は日給8000円で交通費自腹、現場は早朝から深夜までとかだったから、『飲んで暴れてお金もらえるなんて超ラッキー!』って感じ(笑)。そこで、見よう見まねでポールダンスも覚えました。ただ、生活は酒カスそのもの。結局1年半くらいやってから、広告代理店に就職したんです」

俺の夜

一昨年、TikTokのスクショが「ストゼロ一気するヤベー女」としてバズる。カリブ海風だが、実は江の島沖

 OL生活を送っていたRINKOさんのさらなる転機は、30歳を過ぎた頃に訪れた。

「知り合いの経営者からロアビルにお店を出す相談をされて、『いいんじゃないっすか~。飲み行きますよ』なんて言ってたら、『客じゃなくて、店長やってくれない?』って。ちょうど転職も考えていた時期だったので、『ま、いっか』と今に至るという(笑)。もともと六本木は美大生のときにバイト代を握りしめて遊びに来ていた街。当時は、ドリンクチケットを奢ってくれる“ドリチケ配りおじさん”がいて、店を始めたら、意外と私のことを覚えていて来てくれたり、不思議な縁で繫がってる感じですね」

俺の夜

自称“港区の生んだ六本木のゴミ”というRINKOさん

マジもんの港区女子は、ヤバい、エグい、半端ない!

 一晩でタクシーに2度轢かれるなど、そこからRINKOさんが六本木で残してきた伝説は枚挙に暇がない。激動の半生とともに紡いだ歴史があるからこそ、時代が移り変わっても彼女を慕い、「たまにはカツアゲされてやるよ」とシャンパンを開ける馴染みの客も絶えない(お店自体は超リーズナブル。RINKOさんを“姉さん”と慕う女性客も多い)。

俺の夜

さすが六本木のセックスシンボルだけあり、インスタが何度もBANされた

「太く短く。いろいろお声がけいただいたりしますけど、今はこの場所で、六本木の文化と人を盛り上げていくのみです!」

 そんな真っすぐな彼女に会いに行けば、どんな疲れも悩みも吹き飛ばしてくれる気がした。

【RiG@R4F】
住:東京都港区六本木3-15-22 陽光セントラルビル4F
電:03-6434-9230
営:20:00~翌5:00
休:日祝
料:ドリンク800円~
DJブース、カラオケ、ダーツあり。DJイベントも不定期開催。
※詳細や最新の営業情報は電話もしくはTwitter(@RiG_roppongi)にて

オチョコ 酒場で夜な夜な号泣し、ついた通り名がお猪口のチョコ。座右の銘は「バーは謝りに行く所」
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