再び、時短営業だ。いつも22時すぎから飲み始める自分にとって、「飲むな」と言われているようなもの。早くから開けている地元の飲み屋を通りがかると、リスク高めなご年配の方々で賑わっていたりする。どないやねん!!
というわけで、「夜に飲むなってんなら昼から飲んだろ!」と歌舞伎町の「BAR DOQUDOQU」に駆け込んだ。通常時は365日ほぼ24時間営業というイカれ……いや、優しさに溢れた店である。嫌なことぜーんぶ、さっさとお酒で忘れちゃわないと!朝でも昼でも、店に入ればそこは“この世の果て”
東宝ビルのさらに奥、ビルの4階の扉を開けると明るい街から一転。禍々しい空気が充満する薄暗い店内に、一瞬頭がバグりそうになる。オーナーの四道氏が7年前にオープンしたこの店は、エログロ、サブカルなんでもありのギャラリーバー。アングラカルチャーの展示会が頻繁に催され、スタッフもその世界の住人たちだ。
元々常連客だったというアンソニーさんは、グラインドコアバンド「DISGUNDER」のフロントマン。
「コロナ禍でバンドやめた人も結構いますね。食えないだけじゃなくて、“おうち時間”で人間らしい幸せに目覚めちゃって(笑)。でも、私は逆にやめる人が増えるほど『絶対続けてやる!』って燃えてます。ドッジボールの最後の一人になりたいタイプなんですよ」寺山修司や丸尾末広の遺伝子を継ぐ劇団「虚飾集団廻天百眼」の女優・紅日毬子さんも「女優と酒場は絶対やめない」という。
「ただ、稽古や舞台で決まった時間に働けないので、こうやって自由にスタッフとして立てる場所があるのは、本当にありがたいです」客層もサブカル系からド変態までめちゃくちゃ。コロナ禍で消えかけるアングラの灯を、歌舞伎町の片隅で守り続ける店でもある。
煙草を吸いながら仕事できる日が再び骨髄さんは特殊造形やメイクアップに没頭し、店で個展を開いたことがきっかけでスタッフに。
「最初は人形作家の中川多理さんの作品に影響を受けて、学生時代はマリリン・マンソンやティム・バートンも訪れた『マリアの心臓』という人形博物館に通い、この世界にどっぷりハマってしまいました」花音菜さんは、多摩美出身で現在は神楽師として活動する。
「学生時代から『月蝕歌劇団』という劇団で舞台女優をしていて、神楽の師匠に弟子入りした途端にコロナ禍。現場も減ってしまったので、最近は植木屋も始めました。厳しい状況だけど、少しでも神楽の魅力を伝えていきたいんです」そんな濃い面子が揃うが、仕事が残ったままじゃ楽しく飲めない……。でも、無問題!
高速Wi-Fi完備で仕事もできるし、なんなら煙草も吸える。「煙草片手に仕事」という昨今絶滅しつつあるシチュエーションをもう一度味わえるとは! やっぱり捗るんですよねぇ……。 そして、仕事片付けたら速攻お酒飲めるなんて、最高すぎやしませんか? スタバでマックブック開いてる場合じゃねー!(したことないけど)自分、明日からここに籠もります。いつものように編集部にいなくても、ちゃんと仕事はしてます、編集長!
【BAR「DOQUDOQU」】
住:東京都新宿区歌舞伎町2-39-2 三幸ビル4F
電:03-6273-8765
営:ほぼ24時間(日によって営業していない時間もあるので詳細はTwitterで)
休:無休
料:チャージ500円、ドリンク500円~
※詳細や最新の営業情報はTELもしくはTwitter(@BAR_DOQUDOQU)にて
撮影/芝山健太
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