「なでしこ」ここに極まれり!女のコが握る寿司のお味は?【後編】

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13人の“女性板前”がおもてなしします


 カウンターに座るとツケ場には女のコ。「大将、オススメは?」とおしぼりで顔を拭きながら口走りそうになり、思いとどまる。板前さんとの会話が苦手で、回る寿司を好む俺、動揺を悟られぬようおまかせで握ってもらうことにした。

「お嫌いなものはないですか?」

 板前のちづちゃんは、手際よくシャリをまとめながら、気さくに話しかけてくれる。聞けばこの店、なでしこブームの約1年前にオープン。その中で彼女はオープン当初からツケ場に立ち、今や、後輩を厳しく指導する立場なのだとか。

「もともとお寿司が好きで、学生時代は寿司店のホールのアルバイトをしていました。その後百貨店に就職したんですが、お寿司を握ってみたいという思いが強くなったところに、この店がオープンすると聞いて、デパガから思い切って転身してみました(笑)」

 修業はみっちり3か月、朝から晩まで握りはもちろん、魚の目利き、さばき方などベテランの職人から厳しく仕込まれたそう。

「検定があって、それに合格しないとツケ場には立てません。シャリのグラム数を一定にする試験や接客のオペレーションなど結構厳しい。時には涙することも……一発合格するコはまずいないです」

 笑顔の奥にそんな修業があったとは……。冷酒「くどき上手」の酔いに任せ、テポドンが指摘していた、“女性は手が温かく、ネタが温まるから寿司に向かない”という問いをぶつけてみた。

「修業中、男性の板前さんの手を触らせてもらう機会があったんですが、私より温かい人がたくさんいました。だから女性が向かないってことはないと思います」

 女性の雇用の選択肢として「寿司職人」の門戸を拡げたいという彼女。「なでしこ」の看板を背負って世界に出る日も近いぞ!

女のコは現在13人。プロフィール表があるのが嬉しい。

「なでしこ寿司」

住:千代田区外神田3-12-15 チチブ電機ビル2F
電:03-3254-6661
営:11:30~14:00 17:00~22:30
休:無
●新鮮なネタは築地や館山から直送

◆苫米地記者の食後
イカついオヤジに握られるより女のコに心まで握られたい

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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