【担当記者:テポドン】
シガーには男の美学がある
ウィスキーと葉巻は海外旅行のお土産と相場が決まっていた時代も、今は昔。飲み屋でジョニ黒をボトルで入れることにステイタスを感じる時代は終わったのである。だが、一方の葉巻に関しては先入観があるのか、まだまだ高級品という感が残る。お店の方に話を聞くと、
「高いものもありますが、1000円前後のシガーも多くあります。実際に手に取って嗅いでみたりして、お好みのシガーを探して選んでいただきたいと思います」
とのこと。わからなければ素直に聞いて吉。聞くは一時の恥ではない。教えてもらった蘊蓄は、後日、誰かに語ってやればいいやくらいに思っておこう。
シガーケースから一本一本取り出し、香りを嗅ぐ。心に香った一本はキューバ産のモンテクリスト。お値段は3800円。まぁ、灰にしちまうには決して安くはない金額だ。だが、自分の好みに値段をつけるなど愚の骨頂。ここで安い高いと言うのは”粋”じゃない。
シガー用マッチで火をつけて一服。甘く濃厚な香りは市販の煙草にはない優しい味わいすらある。
「煙草が定食ならシガーはフランス料理。シガーは時間を楽しむものです。自分に酔ったり、見られていることを意識して吸うのも重要ですね」(店員談)
煙や香りだけじゃない何かがシガーにはある。深く握って深々と煙を吐き出し、シングルモルトを呷るように口に放れば、気分はフィリップ・マーロウか北方謙三である。
平均予算は6000円程度。6月から入門編としてシガー、チョコレート、ウィスキーの
マリアージュセット(2000円)がスタート。レストランもあるので料理も楽しめる
撮影/Toshitaka Horiba
取材協力/高木瑞穂
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