第七十二夜【後編】

【担当記者:苫米地】

 店内を見回せば、まず目に飛び込んでくるのが目映いほど金色に輝く、男子憧れの”アノ椅子”。ここでは本来の用途ではなく、肘掛けとして使用されているようだが、座るだけならOK。つい条件反射で跨ると、「これに跨って政治談議をするお客さんもいるんですよ」と笑うのは元ソープ嬢のゆうなさん(27)。ここは真由美ママを慕って入店した元ソープ嬢・ヘルス嬢、有名AV女優たちが一晩のお相手ならぬ、お酒のお相手をしてくれるのだ。さっそく乾杯。真由美ママやゆうなさんの”絶対に書けないソープ裏話”に耳を大きくしていると「ハイ、足貸して~」。足下に跪かれると、やおらズボンの裾を捲られ、靴下を脱がされる。あらら? こんなところで!! と動揺していると、泡がブクブク出るナゾの機械がセットされた。

 「これがす♥べいす名物のフットバスサービスです。全身浴はさせてあげられないけど、足はキッチリとスッキリさせてあげま~す」

 アロマローションが含まれた温かいフットバスに足をつけること10分。冷え切っていた足はポカポカと温まって全身も汗ばむほどに足を丁寧におしぼりで拭かれた後は、フットジェルを使っての足ツボマッサージだ。

 「うわぁ~カッチカチ、土踏まず凝ってるね!」「これ、老廃物がタマっている証拠だから出してあげますね……」。か細い指で足のツボを的確に突いてくる真由美ママ。なんとも気恥ずかしい会話と快感に身をゆだねていると、「イデデデデ!」。「ここ生殖器ですよ~」ゆうなさんにツボを突かれ悶絶するO氏。それもそのはず、女のコたちは本格的な足ツボマッサージを体験してもらおうと終業後、日夜練習を重ねているのだとか。

 「はい、終わりです。これでここの全員が”お風呂上がり”(笑)!」

 フットジェルと足ツボの効果で疲れて重かった足は自分のものでないほど軽くなった。さすがは個室で勝負してきた女たち。トークといいフットバスサービスといい、戦う場所を替えても男を癒すツボは心得ている。

 歌舞伎町の最深部にある”大人の隠れ家”。本当の凝りがほぐれるのは足よりも心なのだ。

yoru_72_4.jpg

足の指の間を艶めかしい手つきで超絶マッサージ。
意外な快感に身を震わせる。(右写真)ツボ押しも本格的。老廃物を出してくれる

【ライブリークラブ「す♥べいす」】

yoru_72_5.jpg
yoru_72_6.jpg

住:東京都新宿区歌舞伎町2-17-4コリンズ37ビル5F
電:03-3208-1511
営:19時~ラスト
祝:土・日J4000円~
フットバスサービスは希望者に無料で行われる。
「お風呂上がり」をイメージした髪飾りなど、随所にシャレが
利いている。真由美ママ(写真左)の手料理サービスも隠れ
た人気とか

協力/O氏(夜遊びガイド)  撮影/渡辺秀之

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
苫米地の他の記事