酒は量よりも質――。聞こえは大人なフレーズだが、要は加齢とともに酒に弱くなり、すぐに悪酔いしてしまうだけ。“浪速のエリカ様”こと上西小百合議員のように、はしご酒など難しくなったアラフォーのテキサスです。
そうなると、少しでも旨い一杯に酔いしれたいもの。隣に美女がいれば、その味も格別なものになるだろう。そこで今回は、かつてのような酒の飲み方ができない人に、こだわりの酒を飲ませてくれるガールズバーを紹介したい。
バニーが作るアブサンは旨い!
テキサスが訪れたのは、恵比寿駅西口から徒歩1分のところにあるガールズバー「シェルター」。ここは約60種類のウイスキーや本格焼酎、豊富なリキュール類など、酒を知り尽くしたマスターが「恵比寿には酒好きが集まるのに、酒にこだわったガールズバーがない」とオープンしたお店だ。しかも、バニー姿のセクシー美女たちが接客してくれる。
なかでも、同店の特徴といえるのが本格的なアブサン(一杯/1500円~)が飲めること。アブサンとは、ニガヨモギなどからつくられる薬草系リキュールの一種で、独特の苦みと70%前後の高いアルコール度数が特徴。もともとはスイスでつくられていた薬を、フランス人医師が独自の製法で蒸留。この製法をペルノー・フェス社(現在のペルノ社)が商品化し、世に広めたという経緯がある。
非常に安い酒であったこともあり、19世紀後半に芸術家を中心に大流行。画家のゴッホやピカソ、詩人のヘミングウェイやボードレールなど、名だたる著名人が愛した酒でもある。
そんなアブサンだが、ニガヨモギに含まれるツヨンという物質が幻覚を引き起こし、中毒性を持つとして20世紀初頭に製造・販売が禁止されている。諸説あるが、ゴッホが晩年に自分の耳を切り落としたのは、アブサンの飲みすぎだったとする声も多いのだ。
その後、1981年にツヨンの残存許容量を規制して製造、ならびに販売が再開。2002年頃に日本に入ってきたとされ、おしゃれな酒好きの間ではやり、20代の若きテキサスも「これ飲むと、幻覚が見えて最高の気分になれるんだぜ」などと言って、いきがっていたものである。
◆独特の待ち時間も至福のひととき?
アブサンは、飲み方も独特だ。まずグラスにアブサンを適量用意し、専用のアブサンスプーンをグラスの上に載せる。スプーンに角砂糖を載せたら、専用の給水器「アブサンファウンテン」で一滴ずつ冷水を垂らし、好みの濃さに調節していくのだとか。
アブサンにはハーブ精油成分が含まれているため、一気に加水すると精油の塊になってしまいかねない。糖分も少ないため、角砂糖を溶かしながら水を加えていくと、上質なアブサンに仕上がっていく。まさに“大人の一杯”というわけだ。
ウンチクはさておき、バニー娘にアブサンを作ってもらうことに。冷水が角砂糖に滴り落ちるシーンを噛み締めようとも、ついついその向こう側、バニーガールのセクシータイツに焦点が合ってしまう。これはこれで、至極の時間だ。
「アブサンは危険な男のイメージがある」(葵ちゃん・20歳)との会話を楽しみながら、待つこと3分。独特の風味と喉を焼くようなきつめのアルコールが、心地よく体に入ってくるのだった。
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テキサス 「女のコとの会話は最高の前戯」がモットー。趣味は年間50回ほど行くキャバクラとFX
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