孤独死した60代女性、“お一人様”の最期は認知症でゴミ屋敷に…
玄関の扉を開けると、部屋にはうずたかく廃棄物が積まれたゴミ屋敷の光景が広がっていた。独身で認知症を患っていた60代女性の「孤独死」の現場だ。
核家族化や少子化、生涯未婚率の上昇などを背景に、誰にもみとられることなく自宅で1人死亡する「孤独死」が急増している。2015年中の全国の死者数は概ね130万人。孤独死は年間3万人程度と推計されている。
一般的に、女性の「孤独死」の件数は男性よりも少ないと言われており、どうやら統計的にもそれは正しいようだ。女性には男性と比べて特有の社交性があり、上手に友達付き合いができることが理由のひとつとされている。また、子供を育てる女性の本能からなのか、「子供」というコミュニケーションツールのおかげで友人や社会との繋がりを保っていられることも理由に挙げられる。
内閣府の高齢社会白書(2015年版)によると、一人暮らしの65歳以上高齢者の数は、1980年は88万人だったのに対し、2010年には479万人に増加。2035年には762万人に達する見込みだ。
65歳以上の男女を対象とした2014年度の調査では、「孤独死を身近に感じるか」の質問に対し、14.5%が「とても感じる」、30.1%が「まあ感じる」と回答した。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2035年には一人暮らしが1845万世帯に達し、全世帯(4955万世帯)の3分の1以上になると予想しており、今後も「孤独死」の増加は避けられないだろう。
「認知症」お一人様の「孤独死」
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