中国でセクシー系生配信が大躍進中!年収1500万円以上の配信者も
中国で、個人による生配信がブームとなっている。人気配信者の多くは若い女性で、ポルノすれすれのセクシー動画を無料または有料で配信している。同サービス大手のyy.comは、’14年第1四半期の収益が30億円以上に達しており、前年同期比で187.2%増となっている。また、同サイトを利用して生配信を行うユーザーのなかには、1年で1500万円以上を稼ぐ女性配信者も存在するという(『環球網』8月26日付など)。
『新京報』(8月31日付)は、月に数十万円を稼ぐという人気女性配信者の一人に密着。個人配信者でありながら、2人のスタッフを擁し、さながら女優のような仕事ぶりにスポットを当てている。
アメリカの華字紙『僑報』は、こうしたカリスマ女性配信者が誕生している理由として、人口の男女比が男性に傾く中国で、孤独な独身男性が増えていることを挙げている。中国では恋人のいない独身男性をターゲットにしたビジネスが『ホルモン経済』と呼ばれており、マンガやアニメ、オンラインゲームなどもこれに該当するという。中国在住のフリーライター吉井透氏は、ホルモン経済の盛り上がりの一因として、ある政策を挙げる。
「モテない男の“癒やし”といえば風俗だったが、習近平政権発足後の風俗一斉摘発(掃黄)により、風俗業界は大打撃を被った。店が激減したうえ、利用者が逮捕されるリスクも高い。そこで、合法的に女性に触れられる『代替風俗』が多数登場し、ホルモン経済の一躍を担っています」
たとえば、北京市に登場した「ビキニ洗車」もそのひとつ。『中国網』(7月24日付)によると、このサービスは文字通り、ビキニ姿の若い女性が車を手洗いし、顧客は車のガラス越しに美女の肉体を堪能できるというものだ。料金は30分で約1万5000円だというが、かなりの盛況ぶりだという。
北京市在住の日本車メーカー勤務・内田義隆さん(仮名・44歳)はほかの類似サービスを挙げる。
「最近、若いミニスカートの女性が自宅を掃除してくれる、『セクシー掃除婦』というサービスが密かに人気です。料金は1時間で3000円と相場の2倍以上ですが、知人の独身男性はこれにハマり、毎週呼んでいます。『性的サービスは一切なし』らしいのですが」
掃黄では、売春業だけではなく、キャバクラやスナックも摘発の対象となったが、広州市の日系工場に勤務する長田幸弘さん(仮名・33歳)によると、業態を変えて復活する店も出てきているとか。
「私が通っていた店は、掃黄の後、苦肉の策として女装した男=『男の娘』を動員して営業を再開してました(笑)。中国では、女性が酒の相手をするのは禁止ですが、男性はOKだそう。意外なことにこれが今、流行っているんです。ほかにも、メイド喫茶に鞍替えした元キャバクラもある。酒を出さなければいいというわけです」
掃黄のなか、焼け野原から新しい芽が育っているようだが、「トラブル孫悟空」の愛称でお馴染みの中国人ジャーナリスト・周来友氏はこう指摘する。
「これまでも中国の風俗は理髪店やサウナの看板を掲げて営業してきた。今はソフト路線でも、そのうち本番アリになるでしょうね」
中国の風俗は永遠に不滅か!?
<取材・文/奥窪優木>
週刊SPA!連載 【中華人民毒報】
行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売
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