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中国版ジャニーズにブサイクな地下アイドル…中国の「純国産アイドルブーム」の裏にある習政権の思惑

 ただ、こうしたブサイクアイドルにも一定のファンが存在する。深セン市の不動産会社勤務・岡本宏大さん(仮名・29歳)は話す。 「中国社会では、ルックス格差は経済格差に直結するので、庶民の間では美男美女はもてはやされる一方で嫌悪の対象でもある。ブサイクアイドルのファンの発言を見ていると、『親近感が持てる』という応援コメントが多いです」  まさに黎明期にある中国アイドル業界だが、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏によると、国をあげて国民的アイドルを育てようという動きがあるという。 「近年、国内コンテンツ産業の育成強化を目指す当局は、SMAPのような国民的アイドルグループの創設を後押ししている。TFBOYSがデビューしたのは、奇しくも習近平政権が発足した’13年。駆け出しの頃から中国国営テレビや共産党系メディアが盛んに取り上げ、今の人気に繋がったという面もあるのです」  中国政府は将来、カリスマ性をまとった国民的アイドルグループに、愛国スローガンを叫ばせるつもりなのかもしれない……。<取材・文/奥窪優木> 週刊SPA!連載 【中華人民毒報】 行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売

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