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「俺と二人で旅がしたいの?」――46歳のバツイチおじさんは男前すぎるセリフを真顔で言い放った【第27話】

俺の口からそんな男前すぎるセリフが自然と出た。 しかも真顔で。 真顔でこんなセリフが言えるのなら、もう俺は男前なのかもしれない。 よし、俺の腹は決まった。 ギチがエラで待ってようと、ティンティンと部屋をシェアしてようと関係ない。 俺はリーの気持ちを最優先させたい。 リー、俺にまかせとけ。 俺はティンティンと直接交渉することにした。 晩ごはんを食べた後、宿の共有スペースのソファで、俺とリーとティンティンに加え、その夜たまたまステイしていた日本人男子大学生の旅人と4人でお酒を飲んだ。 「よし、チャンスだ」 なんとかここで、リーが悪者にならないよう、ティンティンとリーを引き離さなければならない。 俺「あの、ティンティン。さっき話したんだけど、明日、俺とリーと二人でエラ村に向かおうと思うんだけど」 単刀直入に切り込んだ。 ティンティン「え? なにそれ? 聞いてないんだけど」 リー「ごめん、さっきごっつさんと話して、決めたんだ」 俺「そうなんだよ。俺が誘ったんだ」 ティンティン「………」 リー「ティンティン、いい?」 ティンティン「…………」 俺「ティンティン、ごめんね」 ティンティンは少しの間考え込んだ。 そして俺たちを見つめこう言った。 ティンティン「じゃあ、私も一緒にいく」 俺「……」 リー「……」 まじかい。 俺「でも、3人で旅すると揉めると思うんだよね。意見が通る確率、三分の一じゃん。今日みたいにティンティンが一人だけ紅茶ファクトリーに行きたくなったら、二人が我慢しなきゃならないでしょ。二人だったら二分の一だからなんとか我慢できるんだけど」 ティンティン「いやだ。でも行く」 リー「でも、ここの宿、あと三日分も前払いしてるよね」 ティンティンが先にこの宿に泊まっていて、リーが後から合流したようだ。 リーもまた必死に説得しようとしている。 ティンティン「それでも行く。お金なんてどうでもいい」 どうやらティンティンの変なこだわりスイッチが入ったようだ。 俺「ティンティン、はっきり言うけど、俺とリーは、二人で旅がしたいんだ」 リー「……ごめん」 ティンティン「そんなの関係ない。私も一緒に行く」 あ、これはわざと意地悪してる。 俺はそう確信した。 その時――。 日本人男子「あのー、ティンティンさん。もし良かったら、明日、俺と一緒にアダムピークって山、登りませんか?」 ティンティン「……え?」 日本人男子「一人で登るの、寂しいなぁと思って。一緒に行きましょうよ」 俺「おーー! ティンティン、誘われてるよ!」 ティンティンの表情が変わった。 ティンティン「うーーん。どうしようかなぁ」 リー「素敵な出会いじゃない」 ティンティン「そうかな」 リー「そうだと思うよ」 ティンティンは日本人男子の顔をじーと見つめるとこう言った。 ティンティン「前向きに検討するわ。確かに二人のお邪魔したら悪いもんね」 俺「おーー。ティンティン、さんきゅー!」 その夜は遅くまでティンティンの機嫌をとりながら、お酒を飲み続けた。 実はその3時間前――。
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実は…
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