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大儲けの「JR東海リニア」に融資する3兆円の一部でもあれば、ジリ貧の「JR北海道」を救済できる

リニアは「地方創生」とは真逆のプロジェクト

 南アルプスの環境破壊など、リニア中央新幹線整備にあたって懸念されている問題についても十分な議論がされたとは言い難い。また、「リニアで東京と大阪間の飛行機の需要はもらう」とJR東海は鼻息が荒いが、日本航空や全日空などにとっては東京・大阪間のドル箱路線が激減すれば経営悪化の恐れも出てくる。  さらに、東京と名古屋・大阪を往復する人は便利になるかもしれないが、既存の東海道新幹線(特にのぞみ号)の本数は減るので、新横浜・京都などの利用客は不便になる。また新神戸以西で山陽新幹線を利用している人は、新大阪や名古屋で乗り換える必要が生じてくる。 「こうしたリニア整備に伴うデメリットについても国会で検証し、そもそもリニアに公益性があるのかについて国民的な合意を得るべきです。  安倍首相は所信表明演説で、リニア中央新幹線への融資が『地方創生回廊になる』と言ったのですが、東京と名古屋と大阪の3大都市ばかりが便利になるリニアは『地方創生』とは真逆の巨大プロジェクト。それよりも、JR北海道をはじめ全国各地のローカル線が瀕死の状態にあるのをどう解決していくのかについて、徹底的に議論する必要があります」(A記者) 取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力) 写真/時事通信社 ― 安倍政権[28兆円経済対策]ワーストムダ事業 ―
ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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黙って寝てはいられない

日本は「原発即時ゼロ」で発展する!

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