更新日:2022年08月08日 03:35
スポーツ

3億円の謎融資、1億円のマンション購入…“トンパチ”と言われる男・崔領二【最強レスラー数珠つなぎvol.4】

――ちょっと怪しい感じもしますが……。世間の風当たりはどうですか。 崔:あいつは裏で汚いことをしているとか、散々言われていると思うんですよ。でもなにを言ってもらっても結構です。最初にやるんだから、そもそも比べることなんて出来ないし。僕は新しいことを冒険して、それに追随する後輩たちが出てきてくれたらいいなと思っています。自分本位な先輩ばかり見てきましたから。僕は自分の城で、一生懸命頑張っている若い奴らにチャンスをあげたいという考えですね。宮古島で無料興行をやったとき、行きたいという選手、能力が高い選手、いい雰囲気を作ってくれる選手、20人全員連れていきました。全部で300万ですよ。僕が引退したあとも、最高のロールモデルになってくれるような選手が育ってくれる環境を整えたいと思っているんです。 ――今後のプランは? 崔:アジアを拠点に、香港、台湾、ベトナム。ヨーロッパツアーもやります。儲けたいわけではないんです。各国にいる僕みたいな選手を引き上げたいんです。そこでどんどん日本に呼んで、僕が持っているノウハウをすべて教えてあげたい。世界中の化け物を日本に連れてきて、日本で試合をさせたい。世界は世界で、ネットワークを作りたい。その先にあるのがどんなものなのか、僕も知りたいんです。 ――最後に、この連載のコンセプトである“強さ”とはなんだと思いますか。 崔:強さとは、イコール優しさじゃないといけないと思います。努力の強さなんて、限界があるんですよ。殴って駄目ならナイフで刺す。ナイフで駄目なら撃ち殺す。次はミサイルが来る。これって、ほんとに終わらないんですよ。強さってそこじゃないと思うんです。人間は基本、孤独です。自殺する人がこれだけ多くて、生きていくって大変なことばっかりです。けど、人が弱ったとき、つまずいたとき、その手を引き上げてあげられる存在であることが強さだと思います。人は結局、だれかに引き上げてもらわないとなにも出来ないんですよね。 ――ありがとうございました。では、次の最強レスラーを指名していただけますか。 崔:若鷹ジェット信介を。エクスカリバーの代表で、飲食店をたくさん経営しながらプロレスをやっています。クレバーさでいろんなものをリカバーしようとしている選手ですね。プロレスの仕組みや組織をまずは作って、ベースからしっかり固めていきたいという技巧派です。  若鷹ジェット信介……。崔領二はすべてにおいて、想像を超えてくる。若干の怪しさも否めない。しかしこの日、取材を行った飲食店で子供たちが崔の周りに集まってきたとき、「学校で流行らせるんだぞ」と笑いながらラリアットを教えていた。その優しさだけは紛れもなく本物だと思った。強さとは、優しさ。その言葉は確かに、崔の中の軸として存在しているに違いない。 <取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介 撮影協力/大阪ダイニング ナンノ>
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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■ランズエンド・新木場大会
【開催日】12月19日(月)
【開場時間】18:30
【開始時間】19:00
問い合わせ(株)エクスカリバー 03-6421-5921

■撮影協力:大阪ダイニング ナンノ
住所:東京都渋谷区桜丘町16-7鈴木ビル1F
TEL:03-3462-2662
Facebook:大阪ダイニング ナンノ
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