Jリーグの黒船「DAZN」は救世主か?
さらに気になるのは、DAZNが“放映権元”でしかないことだ。昨季までとは異なり、中継の制作はJリーグが行い、著作権もJリーグが持つという。
「実況・解説者もJリーグが選定するわけで、どうしてもリーグに向けての辛辣な意見は言いづらくなる」と前出の放送関係者は言う。
もちろんメリットも大きい。DAZNの参入で各クラブへの分配金は増額され、今季のJ1優勝チームは最大で年間21億5000万円を得ることになる。
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「これは昨季実績の4倍以上の金額で、クラブが資金力を増すことは戦力アップ、ひいてはリーグ全体の魅力向上となります。その証拠にさっそく移籍市場が活発化し、中村俊輔(横浜→磐田)や大久保嘉人(川崎→東京)らビッグネームの移籍に繋がった。今後もさらなる大物外国人選手の獲得があるかもしれないですね」(リーグ関係者)
しかし、実は注目すべきは順位によって傾斜する強化配分金だ。
「優勝チームが手にする15億円は全体予算である約30億円の半分で、残りは順位により支給されますが、7位以下は“0円”です。上位クラブばかりが潤い、いい選手は必然的に強豪クラブに集中。下位クラブとの実力差が開き、優勝争いの寡占化が進んでもおかしくない」(同)
J1が3季ぶりに真の王者を決める1シーズン制に戻ったのは巨額な契約金によるところが大きい。
「私は何事も100%完璧になるまで満足しない性格。これからも改善に向けて努力を続けます」(ラシュトンCEO)
黒船にファンの声はどこまで届くのだろうか?
取材・文/栗原正夫 写真/時事通信社
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