更新日:2022年08月23日 15:30
エンタメ

アキラ100%のR-1優勝で見えた「ピン芸人評価の変化」をユウキロックが徹底解説

 ブルゾンちえみ、ゆりやんレトリィバァ、横澤夏子ら台頭著しい女芸人の戴冠が本命視されていた「R-1ぐらんぷり2017」。しかし、蓋を開けてみると、アキラ100%、サンシャイン池崎といった男くささを感じさせる芸人が、最も大きな笑いを獲得する結果となった。「M-1グランプリ」同様、その的確なツイッター解説が注目を集めたユウキロック氏に今年のピン芸人頂上決戦を振り返ってもらった。  2017年2月28日、今年もピン芸人ナンバー1を決める戦い「R-1ぐらんぷり」が開催された。昨年は、俺のNSC同期でもあるハリウッドザコシショウが苦節24年、デビュー当時から一切変わらぬ芸を披露し優勝をもぎ取った。そして、今年の優勝者もまた、ザコシショウと同じ事務所の裸の男だった。  「R-1ぐらんぷり」は漫才の大会「M-1グランプリ」やコントの大会「キングオブコント」と趣きが異なる。後者2大会は「演芸」の縛りがあるが、「R-1」に関して言えば、「人数」の縛りのみなのである。

R-1ぐらんぷり公式サイトより

 したがって、例えば「おしゃべり」だけで見せる芸人と、まったくしゃべらない「パントマイム」を披露する芸人を同じ土俵で戦わせる大会なのだ。それだけに幅が広い……広いはずなのである。しかし、決勝メンバーのネタを分析し、大きな枠組みで分けてみると ①一言あるある系 レイザーラモンRG ゆりやんレトリィバァ 紺野ぶるま ブルゾンちえみ ②コント系 横澤夏子 石出奈々子 ルシファー吉岡 マツモトクラブ ③言葉かかってる系 三浦マイルド おいでやす小田 ④力技系 サンシャイン池崎 ⑤イリュージョン系 アキラ100% となった。  レイザーラモンRGは②っぽい①だとか、おいでやす小田は②っぽい③だとか、いろいろな意見はあると思うが、ざっくりと分ければこんな感じである。出場者12人に対して5つの系統の「演芸」があることが、多いのか少ないのかの判断は難しいが、ほかの出場者と系統が大きく被っていないと感じられたのは、サンシャイン池崎とアキラ100%の2人だけ。そして、結果的にその2人は最終決戦に残ることとなった。
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最終決戦について
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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