「日本語はクレイジーだ」R-1芸人・厚切りジェイソンだけじゃない、漢字に戸惑う外国人たち
日本のお笑い界に黒船襲来――芸歴4か月にして「R-1ぐらんぷり2015」史上初の外国人決勝進出者となった彼の名は、厚切りジェイソンだ。
芸人としての株をグングン上げている現在も、IT関連企業の役員という肩書きを持つ“二刀流”芸人であり、日本語や漢字の理不尽なほどの難しさ、おかしさをハイテンションで斬る芸風が話題を呼んでいる。twitterでベッキーが絶賛したことで、早くも名を轟かせる存在となった。
彼自身が日本語を学ぶなかで、ふと疑問に感じたことをネタに落とし込む。米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校工学部卒でIT関連企業役員のエリートである彼さえも苦労しているのが、日本語学習における「漢字」の存在だ。
昨今は、アニメなど日本のポップカルチャーの浸透もあり「日本語は外国人にとって学びやすい言語のひとつ」だと言われている。だからこそ、日本語を“話す”こと自体のハードルはさほど高くないようだ。
しかし、欧米人の大半は異口同音に「日本語の“読み書き”の難しさはクレイジーだ」と口にする。同じ漢字文化圏の中国でも、使用するのは「簡体字」と呼ばれる略式の漢字であり、日本語ほど中国の漢字を覚えるのには苦労しない。
実態を探るべくアメリカに長期滞在していた帰国子女に話を聞くと、「当時のアメリカの友人には“あめ”という言葉が文脈によって“飴”にも“雨”にも変化することが、いくら説明しても理解してもらえなかった」という。中国人でさえも「同じ漢字なのに、いろんな発音があるのはどうかしている」と話す。
「例えば『生』という漢字、中国語ではシュンと読みます。それが日本語だと、ナマ、セイ、ショウ、イきる、ハえる、ウまれる、羽ブ、麻ソウ……。いったい、どんだけ読みが多いんだよ? 本当にクレイジー。日本の漢字って中国から伝わってきたんじゃないの? どこでこうなったのか教えてほしいよ」
我々にとっては些細なことでも、海外の人から見れば“ミステリアス”なことばかりなのだ。
「日本人とアメリカ人の笑いのツボは全然違う」と厚切りジェイソンは言う。そんな逆境でも“Why Japanese people!?”というハイテンションなツッコミで、我々にはない視点から日本語の矛盾を斬る。大舞台で世間のハートを掴むことはできるのか? 日本列島に、どんな旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみだ。
●「R-1ぐらんぷり2015」公式サイト http://www.r-1gp.com/top.php
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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『Mysterious Japan』 Why Japanese people? ![]() |
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