ホーク・ウォリアー「そう、新しい生活It’s my new life」――フミ斎藤のプロレス読本#011【Midnight Soul編6】
マイク自身は28歳のときにいちど結婚したが、それも3年ちょっとで終わった。奥さんだったジュディさんが恋人をつくってしまったのだった。
1年じゅうほとんど家を空けっぱなしだったから、それも仕方がないといえば仕方がなかった。裁判もせずに離婚届けにサインをして、家も自動車も飼っていた犬も全部、その人にあげた。
スーパースターになっても、たくさんお金を稼いでも、マイクはちっともハッピーになれなかった。ツアー生活もほとほといやになった。そういう気持ちになると、リングに上がることがエンジョイできなくなっていた。
でも、どうあがいてもマイクとホークは同一人物なのだ。プロレスをやめる日までそれはつづいていくし、たぶん、やめたあとだってずっとそのままだろう。
ホークは、自分をあくまでもホークとしてとらえることにした。そして、アメリカのプロレス・シーンからロード・ウォリアーズを消してしまい。活動の場を日本に移すことを思いついた。
日本で試合をしながら、アメリカではマイク・ヘグストランドとしてふつうの生活をしてみる。そう考えると、またプロレスが楽しくなってきた。
「オレが初めて日本に来たとき、ケンスキーはまだグリーンボーイだったんだよな」
ホークは新しいタッグ・パートナーの佐々木健介のことを話しはじめた。
ロード・ウォリアーズが初めて日本に来たころ、まだ若手だった健介はジャパン・プロレスのジャージの上下を着てリングサイドをうろちょろしていた。健介にとってはホークは雲の上の人だった(つづく)
※文中敬称略
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ1
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