昨今の不倫は泥沼化しやすい。原因はデフレ化とSNSの普及!?
―[[不倫の泥沼化]が止まらない]―
空前のゲス不倫ブーム(?)となった昨年。また、’15年に注目を集めた不倫ドラマ『昼顔』の映画版も公開されたとあって、世の不倫への関心はますます高まりそうだ。とは言え、一般人の不倫はなかなかロマンチックな純愛物語にはならないし、ともすると泥沼化しがち。
「元来、不倫というのはカネのある男の遊びだったはず。将来を約束できない代わりに、男は女に金銭的なメリットを与えるという構図でした。でも、最近はカネを使わない男が不倫市場に参入して、不倫がデフレ化しています。そしてそれこそが泥沼化の原因となっているのです」とは、社会学者の鈴木涼美氏。
「バリバリ働いて稼いでいる女性なら仕事で尊敬できること、結婚生活に倦んでいる人妻なら癒やしや都合のよさなど、男性に金銭以外のメリットを求めるし、お金がない者同士の不倫だったら貧乏ゆえの不幸それ自体が不倫のエッセンスになります。もとより金銭が介在していない関係性だからこそ『金の切れ目が縁の切れ目』とはならず、関係がずるずると続いてしまい、こじれたり泥沼化したりしやすいんです」
また、SNSの普及も泥沼化の一因だと、弁護士の長谷川裕雅氏は指摘する。
「昔だったら探偵を雇わなければつかめなかった不倫の証拠が、SNSへの投稿内容、履歴から明らかになるケースも増えています。また、別れ話で揉めると、不倫相手が自爆覚悟で不倫の事実や写真をツイッターやフェイスブックにアップするという最悪の事態も十分にありえます」
デフレ化とSNSの普及によって泥沼化が加速しているのが昨今の不倫なのだ。
【鈴木涼美氏】
社会学者。慶応大学、東京大学大学院修士課程、日本経済新聞記者を経て、現在は文筆業。元AV女優。『愛と子宮に花束を 夜のオネエサンの母娘論』(幻冬舎)が発売中
【長谷川裕雅氏】
東京永田町法律事務所代表。朝日新聞事件記者を経て、弁護士に。著書に『不倫の教科書』(イースト・プレス)、『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』(プレジデント社)
― [不倫の泥沼化]が止まらない ―
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