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「0.1円パチンコ」は“時間のムダ”なのか? 愛好家、ホール関係者に聞く

 射幸性の高さをおさえる昨今のパチンコ事情を考えれば、この“超低玉貸し営業”は時代の流れともいえる。ホールコンサルタントのS井氏も「0.1円パチンコの導入で、ようやく“娯楽としてのパチンコ”の復権回帰ができたのでは?」とみる。

0.1円パチンコの登場は手打ち時代の娯楽性に回帰するのだろうか

「10年ほど前に“1円パチンコ”が導入され、まだ存在自体が珍しかった頃の理念は『薄利でもいいから稼働をあげたい』というものでした。が、どのホールでも1円パチンコの稼働が上がり、競合店も軒並み1円パチンコを導入するようになって『釘は極悪、1円あたりの利益は4円パチンコと同等』という本末転倒の事態になってしまいました。つまり、『安く長く遊びたい』という客の願望を裏切る形で推移してきたのです。0.1円までレートを下げれば、利益を出そうという考えにはなりません。客にしてみれば、安心して思う存分、遊べるわけで、“闇”なんてことはありませんよ」  0.1円パチンコでホールの稼働率も上昇。とはいえ、利益を出さずに稼働率をあげることは、ホールとしてどんなメリットがあるのだろうか。 「ギャンブルをする人の心理として“見栄を張りたい”というものがあります。海外のカジノで、あえてVIPルームに行かず、低レートの卓について、平均ベッドの10倍近い金額をこれみよがしに賭ける人は必ずいます。それと同じ効果を狙っているわけです」  つまり、0.1円パチンコが“闇”なのではなく、“闇”と断定してしまう人の存在こそが“闇”ということか。善悪ではないが、人の目を気にせず、身の丈にあったレートで遊ぶ――それが、娯楽としてのパチンコのあるべき姿なのかもしれない。 〈取材・文/高田 克敏〉
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