更新日:2022年10月05日 23:54
デジタル

iPhone X、税込み14万円の価格を巡って「買う/買わない」論争が勃発

「iPhone X高い/安い論争」はアレに似ている

 平行線を辿る両者だが、この論争について、一つの結論を下したのは自動車業界にも詳しいガジェットライターのF氏だ。 「iPhone Xを巡って繰り広げられている論争は、自動車業界のそれととても似ています。たとえば、中古の軽自動車ならば20万円程度で簡単に手に入れられます。いっぽうで、ベンツやレクサスなどの高級車は新車で1000万円近い値がつきます。現在は格安スマホが発売されているように、かつてと比べてスマートフォンの価格差もかなり大きくなっています。これだけ大きい価格差が存在する構図は自動車業界と一緒です。そして自動車は高い/安いという判断は人によって異なる。ガラケーの時代は携帯電話に“平均価格”のようなものがありましたが、今や自動車と同様にその“平均”がなくなり始めています」  たしかに自動車は、単なる移動手段と捉えれば軽自動車で十分だ。しかし、車内の静粛性、トルクの強さ、0−100kmまでの到達時間など、さまざまなスペックにこだわれば高い価格のものを選ぶことになる。 「スマホをLINEとFacebook、Twitter、Instagramの更新を主として使っている場合、LINEモバイルなどの格安スマホで十分かもしれません。しかし…」(F氏)  それでもiPhoneを選ぶ理由はあるとF氏は述べる。 「今や10代の半分近くがiPhoneを持っていると言われます。iPhoneは高級スマホに分類されるのは間違いありません。しかし、若者の間ではiPhoneはAirDropをはじめとして代替不可能な機能を持っている以上、他のスマホでは満足できないのです。さらに『みんな使っているから、私もiPhoneを使う』といったコミュニティ内の同調圧力のようなものもあります」  つまり「どうせ使うのはLINEとTwitterだけでしょ」と伝えても、ある種の人にとってiPhoneはそれ以上の価値を帯びてしまっているのだ。 「スマホ業界は自動車業界と同様に今後より多様化が進むでしょう。そうなると、高いか安いかといった論争が今後は少なくなっていくのではないでしょうか」(F氏)  これまで10年間にわたってスマホの可能性を切り拓いてきたiPhone。はたして、新型モデルは市場にどのように受け入れられるのだろうか。 <文/日刊SPA!取材班>
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