更新日:2018年04月27日 16:16
お金

清水の舞台から飛び降りる覚悟で買った「高級腕時計オメガは安い腕時計を買うよりもお得」だった

 では、オメガを2000年頃に買うというのは「お得」だったのでしょうか?  仮にその頃ロレックスを選択した場合、デイトナだけでなくほぼすべてのモデルがその後、値上がりしているため、ロレックスは「割高」どころか数千円の安い腕時計を買うより遥かに「お得」な選択でした。そのため、結果的にオメガよりロレックスのほうがお得だったということになっているかもしれません。しかし、オメガもきちんと値上がりしているのです。  当時も今も、オメガの時計のなかで最も人気のモデルといえば、スピードマスタープロフェッショナルですが、1996年から2014年頃まで現行モデルだった3570.50は、10万円程度値上がりしています。

オメガ・スピードマスター 3570.50

 2000年頃のスピードマスター3570.50の新品実勢価格は約17万6000円(税込)という水準ですが、2017年では安いモノでも28万円という状況。ちなみに、2014年頃まで安いモノが22万円程度という相場でしたが、その頃の買取価格事例は18万円という額でした。ですから、2000年頃に3570.50を買って2014年に売った場合でも、得をしたわけです。さらに今ではもっと高くなっているので、もっと得ができるわけです。  よって、2000年頃、清水の舞台から飛び降りる覚悟でオメガを買った人は、実は「実質0円」どころか値上がりしているということを体験できたことになります。  ただオメガユーザーの場合、毎日着けるというようにタフに使う人が他のブランドより多い傾向にあります。例えば、17年間毎日タフに使っていたというような場合、程度が悪くなっている可能性があるでしょう。そのため、買った値段より高く売れない可能性もあります。  とはいえ、一般的な個体では、3570.50は17年前の新品実勢価格より10万円以上高くなっているというのは事実。よって、高く売る経験をできる人は多々いるかと思います。さらに、2000年当時にオーソドックスな選択肢として選ばれたオメガは、スピードマスターだけでなく、他のモデルも値上がりしています。  映画『007』でもボンドウォッチとして登場する、シーマスター300m(2531.80)は、2000年頃約15万(税込)でしたが、現在程度の良いモノは15万8000円程度するのです。2000年頃における、オメガは10万円台という価格帯だったこともあり、ロレックスよりだいぶ数が多い傾向。そのような事情があるにもかかわらず、値下がりするどころか、過去の新品価格より中古が高くなるという状況です。

オメガ・シーマスター 2531.80

 ということで、高級腕時計を買うということは、結果的に「お得」となることが、オメガのようなオーソドックスな選択肢でもありえるのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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